夜中に何度もトイレに起きます。年のせいでしょうか?
A. 回答年齢とともに増えるのは確かですが、年のせいだけとは限りません。夜間にトイレで起きることを夜間頻尿といい、学会の診療ガイドラインでは「夜間に排尿のために1回以上起きなければならないという訴え」と定義されています。つまり1回でも当てはまります。背景には、膀胱そのものの問題だけでなく、心臓・腎臓・糖尿病・睡眠時無呼吸・薬の影響などが隠れていることがあります。転倒のきっかけにもなるため、回数が増えてきたら一度調べておく価値があります。
背景にありうるもの
| 種類 | どういうことか |
|---|---|
| 夜に尿が多くつくられる | 日中に足にたまった水分が、横になることで戻って尿になります。心不全、腎臓の働きの低下、夕方以降の水分や飲酒が関わります |
| 膀胱にためられる量が減る | 前立腺の肥大、過活動膀胱など |
| 眠りが浅い | 目が覚めたついでにトイレへ行っている状態。睡眠時無呼吸、不眠が関わります |
| 薬の影響 | 血圧の薬(利尿作用のあるもの)などを夕方に飲んでいる場合 |
| 糖尿病 | 血糖が高いと尿の量が増えます |
複数が重なっていることが多く、「トイレの問題」だけを見ていても解決しないのが、この症状の難しいところです。
早めにご相談いただきたい場合
次のいずれかがあるとき
- 夜間に2回以上起きる日が続いている
- 足のむくみ、息切れ、横になると苦しいをともなう
- のどが渇く、体重が減ってきた
- いびきが大きい、日中に強い眠気がある
- 尿が出にくい、残っている感じがする、勢いが弱い
- 血が混じる、排尿のときに痛む
- トイレに起きたときにふらつく、転びそうになった
特に、むくみや息切れをともなう場合は心臓の働きが、のどの渇きや体重減少をともなう場合は糖尿病が関わっていることがあります。
家庭で試せること
- 夕方以降の水分を控えめに:ただし日中はしっかりとってください。全体を減らすと脱水になります
- 寝る前のアルコールとカフェインを避ける:どちらも尿の量を増やします
- 夕方に足を上げて休む:日中にたまった水分を早めに戻す狙いです。30分ほど、心臓より高い位置に
- 塩分を控える:むくみが関わっている場合に効きます
- 足元を明るく、動線を片づける:夜のトイレは転倒が起きやすい場面です
これで改善するようなら、それで構いません。変わらない場合や、上に挙げた症状をともなう場合はご相談ください。
受診したら何をしますか
まず、いつ・どのくらい尿が出ているかを確認します。可能であれば受診の前に2〜3日、時刻と量を記録していただけると、原因の絞り込みが早くなります。おおよそで構いません。
そのうえで、尿の検査、血液検査(腎臓・血糖・貧血など)、必要に応じて心電図やレントゲンで、心臓や腎臓の状態を確認します。前立腺が関わっていると考えられる場合は、泌尿器科へご紹介します。
当院での対応
当院は内科・循環器内科・呼吸器内科をあわせて標榜しています。夜間頻尿は心臓・腎臓・睡眠の問題が重なりやすい症状なので、それらをまとめて調べられることが利点になります。いびきや日中の眠気をともなう場合は、睡眠時無呼吸の検査もご案内できます。
ご高齢の方では、夜のトイレでの転倒が骨折につながることがあります。転びやすさが気になる場合は、リハビリテーション科としての対応や、介護のご相談(かしわじま居宅介護支援センター 086-525-0600)もあわせて承ります。
受診のときに伝えていただきたいこと
- 夜間に何回起きるか、いつごろから増えたか
- 日中のトイレの回数
- 夕方以降に飲むもの(水、お茶、お酒)と、その量
- 足のむくみ、息切れの有無
- 飲んでいる薬(お薬手帳)。特に血圧の薬
参考にした情報
心臓・腎臓・睡眠をまとめて調べられます。ご相談ください。
最終更新:2026年8月27日
