足の親指の付け根が急に激しく痛みます。尿酸値が高いと言われたことがあるのですが……
A. 回答足の親指の付け根が突然赤く腫れ、靴下が触れるだけでも痛むような激しい痛みが出た場合、尿酸の結晶が関節にたまって炎症を起こす「痛風発作」の可能性があります。痛み自体は数日から1〜2週間ほどで自然に落ち着くことが多いとされていますが、痛みが引いたからといって尿酸値の高い状態がなくなったわけではありません。発作を繰り返したり、腎臓や尿路への影響につながったりする場合もあるため、痛みのあるうちは原因を確かめる目的で、落ち着いてからは尿酸値と合併症を確認する目的で、内科への受診をおすすめします。何科か迷う場合は、まず内科でご相談いただいて差し支えありません。
足の親指の付け根が急に痛むとき、考えられること
同じ「親指の付け根の痛み」でも、背景はひとつではありません。次のような原因が考えられます。
- 痛風発作:血液中の尿酸が多い状態が続くと、関節に尿酸の結晶がたまり、それが炎症を引き起こすとされています。足の親指の付け根に起こることが多く、夜間から明け方に突然始まるのが典型的といわれます。
- 高尿酸血症:血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を指します。症状がないまま経過することも多く、健診の採血で初めて指摘される方もいます。
- ほかの関節の炎症:関節に細菌が入って起こる関節炎や、尿酸とは別の結晶による関節炎(いわゆる偽痛風)でも、よく似た腫れと痛みが出る場合があります。
- 外反母趾・打撲などの整形外科的な原因:靴の圧迫やけがによる痛みが重なっていることもあります。
- 皮膚や皮下組織の感染:足に傷がある方では、皮膚の感染(蜂窩織炎)で赤みと痛みが出ることもあります。
見た目だけで区別することは難しく、血液検査や経過の確認が判断の助けになります。
発作が起きているときと、落ち着いているときで対応が変わります
痛風は「痛いときの対応」と「痛くないときの対応」が別物です。ここを取り違えると、かえって回り道になることがあります。
| 項目 | 発作が起きているとき | 発作がおさまっているとき |
|---|---|---|
| 痛む部位への対応 | 安静にし、足を心臓より高くして冷やす。もんだり温めたりしない | 特別な処置は必要ありません |
| お酒 | 控えることがすすめられます | 量と休肝日を意識して調整します |
| 尿酸値を下げる治療 | 発作の最中に新たに始めると症状が長引くことがあるとされ、通常は落ち着いてから検討します | 尿酸値や合併症の状態をみて、医師と相談のうえ検討します |
| 受診の目的 | 痛みの原因を確かめ、炎症への対応を相談する | 尿酸値・腎機能・合併症の確認と、再発予防 |
すでに尿酸値を下げるお薬を続けている方が発作を起こした場合、自己判断で中断すると尿酸値が変動して経過に影響することがあります。中断や再開はご相談ください。
尿酸値が気になる方の生活チェックリスト
- ビール・日本酒などのお酒をほぼ毎日飲んでいる(種類にかかわらず、飲酒量が多いほど尿酸値は上がりやすいとされています)
- レバー・白子・魚の干物・エビなど、プリン体の多い食品をよく食べる
- 甘い清涼飲料水やジュースを飲む習慣がある
- 水やお茶をあまり飲まず、1日の尿の量が少ない
- 体重が増えてきた、健診で肥満を指摘された
- 短距離走や強い筋力トレーニングなど、息が上がる激しい運動を好んで行っている
- 健診で尿酸値が高いと言われたまま、受診していない
ガイドラインでは、プリン体の摂取は1日400mg程度までを目安に控えること、尿路結石を防ぐためにこまめに水分をとること、飲酒は量を決めて休肝日を設けること、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を続けることがすすめられています。プリン体を極端に避けるより、食事全体のバランスと体重管理を整えるほうが現実的とされています。
受診の目安
痛みの強さだけでは緊急性を判断できません。次のようなサインがあるかを確認してみてください。
すぐに受診を検討してください
- 関節が赤く腫れて熱をもち、38℃以上の発熱を伴う
- 痛む関節が複数あり、短時間で広がってきている
- 足をつけない、歩けないほどの痛みが続いている
- 足に傷や化膿している部分があり、その周囲が腫れている
- 背中や脇腹の激しい痛み、血尿、尿が出にくいなどを伴う
早めの受診をおすすめします
- 数日で痛みは引いたが、以前も同じ場所が痛くなったことがある
- 健診で尿酸値が高いと指摘されたまま、そのままにしている
- 痛みは治まったが、関節の腫れやしこりのようなものが残っている
- 高血圧・脂質異常症・糖尿病・腎機能の異常も一緒に指摘されている
- 市販の痛み止めでしのいでいるが、発作を繰り返している
当院での対応と検査
いなだ医院は内科として、痛む部位の診察と血液検査を行い、尿酸値・炎症の程度・腎機能などを確認します。痛風発作以外の関節炎や皮膚の感染など、区別が必要な状態がないかもあわせて診ていきます。骨や関節そのものの精密な評価が必要と判断した場合は、適切な医療機関をご紹介します。尿酸値が高い状態が続く方については、高血圧・脂質異常症・糖尿病などとあわせて、継続的な管理のご相談も承ります。
受診にあたって:予約は不要で、診療時間内であれば当日の受診が可能です。朝は7時から診療しています。血液検査の採血自体は数分で終わり、診察・検査・結果のご説明まで含めておおむね30分前後が目安です(混雑状況により前後します)。症状があっての受診、健診で指摘された項目の確認は、いずれも保険診療の対象となります。費用について詳しくはお問い合わせください。お持ちいただくものは、健康保険証(マイナ保険証)、健診の結果票、現在お飲みのお薬またはお薬手帳です。痛む部分を見せていただきますので、脱ぎ履きしやすい靴・靴下でお越しいただくとスムーズです。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから、どの部位が、どのくらい痛むか(夜中に急に始まった、など)
- 過去にも同じような痛みがあったか、その回数と間隔
- これまでに指摘された尿酸値と、その時期
- お酒の種類と量、1週間に飲む日数
- 服用中のお薬(他院で処方されているものを含む)
- 発熱、けが、足の傷など、痛み以外に思い当たること
参考にした情報
痛みが出ているときも、健診で尿酸値を指摘されたままの方も、まずは一度ご相談ください。予約なしで受診いただけます。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
