最近つまずきやすくなり、歩くのが遅くなりました。何かできることはありますか?

A. 回答

つまずきやすさや歩く速さの低下は、年齢のせいと片づけられがちですが、筋力やバランス機能の低下、いわゆるフレイル(加齢に伴って心身の活力が低下した状態)のサインである場合があります。フレイルは要介護の一歩手前の状態とされる一方、運動・栄養・社会参加への取り組みによって進行をゆるやかにしたり、機能の回復が期待できる可逆的な状態とも考えられています。まずは現在の状態に気づくことが第一歩です。転倒を繰り返す、体重が減ってきた、といった変化がある場合は、背景に別の病気が隠れていることもあるため、一度ご相談ください。

つまずきやすくなる・歩くのが遅くなる背景

歩行の変化には、加齢による変化だけでなく、いくつかの要因が重なっていることが多いとされています。

フレイルのセルフチェック(5項目)

フレイルの評価にはいくつかの方法がありますが、身体面については次の5項目で確認する方法が一般的に用いられています。当てはまる数を数えてみてください。

当てはまるものはありますか?

  • 体重減少:ダイエットをしていないのに、6か月で2kg以上体重が減った
  • 疲労感:ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする
  • 歩行速度:歩くのが遅くなった(横断歩道を青信号のうちに渡りきれないことがある)
  • 握力の低下:ペットボトルのふたが開けにくい、握る力が弱くなったと感じる
  • 活動量の低下:軽い運動や体操、定期的な運動・スポーツをしていない

一般的な目安として、3項目以上当てはまる場合はフレイル、1〜2項目の場合はその前段階(プレフレイル)と判断されるとされています。これは診断そのものではありませんが、1つでも当てはまるようであれば、生活を見直すきっかけとしてお使いください。

大切とされる3つの柱:運動・栄養・社会参加

フレイル予防では、「運動」「栄養」「社会参加」の3つが柱として挙げられています。どれか1つではなく、組み合わせて続けることが大切とされています。

あわせて、住まいの環境を整えることも転倒予防につながるとされています。床に物を置かない、電気コードを壁沿いにまとめる、段差や階段・トイレ・浴室に手すりを付ける、夜間の廊下に足元灯を置く、滑りにくい履物を選ぶ、といった工夫が挙げられます。手すりの設置などの住宅改修や、歩行器・杖などの福祉用具は、要介護・要支援の認定を受けている方であれば介護保険の対象となる場合があります。

受診の目安

歩き方や体力の変化には、治療できる病気が隠れていることもあります。次のような場合はご相談ください。

すぐに受診を検討してください

  • 転倒して頭を打った、強い痛みがある、立てない・歩けない
  • 急に片側の手足に力が入らない、しびれる、ろれつが回らない
  • 意識が遠のく感じや失神があった
  • 転倒後に日を追って頭痛・吐き気・物忘れが強くなってきた

早めの受診をおすすめします

  • この半年〜1年でつまずきや転倒が増えてきた
  • 意図せず体重が減ってきた、食事量が明らかに減った
  • じっとしていてもふらつく、めまいを伴う
  • 膝や腰の痛みで外出や家事がしづらくなっている
  • お薬を飲み始めてから、ふらつきや眠気が出るようになった
  • 外出の回数が減り、家にいる時間が長くなっている

当院での対応と、介護のご相談について

当院はリハビリテーション科を標榜しており、内科と合わせて、歩行の変化の背景にある病気がないかを確認しながら対応しています。問診で転倒の状況や生活の様子をうかがい、必要に応じて血液検査、心電図、レントゲンなどで貧血・甲状腺・心臓・関節の状態などを確認します。服用中のお薬がふらつきに関わっていないかの見直しも含めてご相談いただけます。そのうえで、ご本人の状態に合わせた運動や生活の工夫についてご説明します。

当院は複合介護施設を併設しており、デイサービス・小規模多機能ホーム・訪問介護・居宅介護支援センター・サービス付高齢者向け住宅「メディケアビレッジかしわじま」を運営しています。「介護保険の申請はどうすればよいか」「日中ひとりで過ごすのが心配」といった介護に関するご相談にも、施設の相談員とともに対応できます。通院が難しくなった方には訪問診療・訪問看護もご用意しています。

受診にあたって

受診時に伝えていただきたいこと

本ページは一般的な情報提供を目的としています。症状の程度や経過には個人差があり、緊急性が高いと感じる場合は救急外来の受診もご検討ください。ご不明な点はお電話(086-525-0600)にてお問い合わせください。

歩きにくさや転倒が気になるとき、介護のことでお困りのときも、お気軽にご相談ください。

📞 086-525-0600
医療法人 いなだ医院 倉敷市玉島柏島で、内科・呼吸器内科・循環器内科・感染症内科・アレルギー科・消化器内科(胃腸科)・小児科・リハビリテーション科を診療しています。本記事は公的機関・学会の資料をもとに作成し、当院の医師が内容を確認しています(2026年8月確認)。

最終更新:2026年8月26日

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