階段の上り下りで膝が痛みます。年齢のせいだから仕方ないのでしょうか?

A. 回答

膝の痛みは「歳だから仕方がない」とあきらめてしまう方が多い症状ですが、必ずしもそうとは限りません。階段の上り下りや立ち上がりのときに痛むタイプの膝の痛みでは、変形性膝関節症(膝の軟骨がすり減り、関節に負担がかかった状態)が背景にある場合があります。日本整形外科学会の「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」では、運動療法について鎮痛・身体機能の改善に有用とされており、太ももの筋力トレーニングなどを続けることで痛みが和らぐことが期待されています。まずは痛みの原因を確かめたうえで、ご自身に合った運動を知ることが第一歩とされています。膝の痛みは整形外科のほか、リハビリテーション科でも相談できます

膝が痛くなる一般的な原因

階段や立ち上がり動作で膝が痛む場合、次のような背景が考えられています。

「年齢のせい」とあきらめる前に ― 運動療法という選択肢

日本整形外科学会の診療ガイドラインでは、変形性膝関節症に対する保存療法として、患者教育・体重管理・運動療法が基本と位置づけられています。運動療法では、太ももやお尻の筋力トレーニング、膝の動きをよくするストレッチ、ウォーキングなどの有酸素運動を組み合わせ、継続することが大切とされています。

ポイントは「痛いから安静にする」ではなく、膝に体重をかけすぎない姿勢で筋肉を鍛えることです。以下は、椅子や床の上で無理なくできる代表的な運動です。ご自身の状態によって適した運動は異なりますので、痛みが強い場合は自己判断で続けず、まずご相談ください。

自宅でできる簡単な膝の運動(できているか確認してみましょう)

  • 脚上げ運動(SLR):あお向けで片脚を伸ばしたまま、かかとを10cmほど持ち上げて5秒キープ。左右10回ずつを目安に。
  • 膝押しつけ運動:あお向けまたは座った姿勢で、膝の下にたたんだタオルを入れ、膝でタオルを5秒押しつぶす。左右10回ずつ。
  • 椅子での膝伸ばし:椅子に深く座り、片膝をゆっくり伸ばして5秒キープしてから下ろす。反動をつけない。
  • 横上げ運動:横向きに寝て、上側の脚を伸ばしたまま20〜30cm持ち上げる。お尻の横の筋肉を鍛えます。
  • 浅いスクワット:椅子の背やテーブルに手を添え、膝がつま先より前に出ない範囲で浅く曲げる。深くしゃがまない。
  • ウォーキング:平らな道を無理のないペースで。1回20〜30分程度を週2〜3回から。

運動中や翌日に痛みが強くなる、膝が腫れるといった場合は、いったん中止して医療機関にご相談ください。回数や強さは「翌日に痛みを持ち越さない範囲」が目安とされています。

受診の目安

膝の痛みの多くは緊急性が高いものではありませんが、次のような場合は早めの対応が必要とされています。

すぐに受診を検討してください

  • 膝が急に腫れて赤みがあり、さわると熱をもっている
  • 強い痛みで体重をかけられない、歩けない
  • 発熱を伴って膝が痛む
  • 転倒やひねったあとに、急に膝が腫れて動かせなくなった
  • 膝が引っかかって伸ばせない・曲げられない状態が続く

早めの受診をおすすめします

  • 階段の上り下りや立ち上がりの痛みが数週間以上続いている
  • 朝起きたときに膝がこわばり、動かし始めがつらい
  • 正座やしゃがみ込みができなくなってきた
  • 膝に水がたまっているような重い感じが繰り返す
  • 痛みで外出や家事を控えるようになり、活動量が減ってきた
  • 市販の湿布などで様子をみているが改善しない

当院での対応と、リハビリテーションの流れ

いなだ医院ではリハビリテーション科を標榜しており、膝や腰など運動器の痛みについてご相談いただけます。まず問診で痛みの出かた・経過をうかがい、必要に応じて画像検査や血液検査で炎症の有無などを確認したうえで、状態に合わせた運動の指導や物理療法などをご案内します。専門的な手術治療が必要と判断される場合には、連携する医療機関へのご紹介も行っています。

膝の痛みは「何科に行けばよいかわからない」という声が多い症状です。まずはかかりつけとして当院にご相談いただき、必要な場合に適切な次の一歩をご案内する、という形でも差し支えありません。

受診にあたって知っておきたいこと

受診時に伝えていただきたいこと

本ページは一般的な情報提供を目的としています。症状の程度や経過には個人差があり、緊急性が高いと感じる場合は救急外来の受診もご検討ください。ご不明な点はお電話(086-525-0600)にてお問い合わせください。

膝の痛みで階段や外出がつらいと感じたら、「年齢のせい」と決めずに一度ご相談ください。

📞 086-525-0600
医療法人 いなだ医院 倉敷市玉島柏島で、内科・呼吸器内科・循環器内科・感染症内科・アレルギー科・消化器内科(胃腸科)・小児科・リハビリテーション科を診療しています。本記事は公的機関・学会の資料をもとに作成し、当院の医師が内容を確認しています(2026年8月確認)。

最終更新:2026年8月26日

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