みぞおちから背中にかけて痛みます。胃ではないのでしょうか?
A. 回答みぞおちの痛みで最も多いのは胃や十二指腸によるものですが、背中まで抜けるように痛む場合は、みぞおちの奥にある膵臓(すいぞう)や、その近くの胆のう・胆管が関係していることもあるとされています。膵臓は胃の裏側に位置し、症状が出にくい臓器といわれるため、痛みの出方だけで「胃だ」「膵臓だ」と見分けるのは難しいのが実際です。強い痛みが続いている場合は様子を見ずに受診してください。そうでない場合も、血液検査や画像検査で原因を絞り込めることが多いので、まずは消化器内科(内科)にご相談ください。
みぞおちから背中に抜ける痛みで考えられること
同じ「みぞおちの痛み」でも、背景にはいくつもの可能性があります。代表的なものを挙げます。
- 胃・十二指腸の病気:胃炎、胃・十二指腸潰瘍など。空腹時や食後に痛む、胸やけを伴うことがあります。
- 膵臓の炎症(膵炎):MSDマニュアル家庭版では、急性膵炎ではほぼ全員に上腹部の強い痛みが生じ、約半数でその痛みが背中まで突き抜けると説明されています。
- 胆のう・胆管の病気:胆石が関係する痛みは、右上腹部から背中や右肩にかけて広がることがあるとされています。
- 逆流性食道炎:みぞおちから胸にかけての焼けるような不快感として出ることがあります。
- 膵臓の腫瘍:国立がん研究センターの情報では、膵臓がんは小さいうちは症状が出にくく、進行すると腹痛・食欲不振・体重減少・黄疸・腰や背中の痛みなどが起こるとされています。頻度は高くありませんが、症状が長引く場合には念頭に置かれます。
- 背骨や筋肉の問題、心臓の病気:内臓以外が原因のこともあり、胸の症状を伴う場合は心臓の評価も必要になります。
痛みの出方には次のような傾向が知られていますが、あくまで目安で、これだけで判断はできません。
| 項目 | 胃・十二指腸によることが多いとき | 膵臓が関係していることがあるとき |
|---|---|---|
| 痛む場所 | みぞおち中心 | みぞおち〜左上腹部から背中へ抜ける |
| 痛みの続き方 | 強くなったり弱くなったりしやすい | 強い痛みが数時間以上続くことがある |
| 楽になる姿勢 | 特に決まっていないことが多い | 前かがみで軽くなることがあるとされる |
| 伴いやすい症状 | 胸やけ、げっぷ、食欲低下 | 嘔吐、発熱、体重減少、脂肪便 |
| 関係しやすい背景 | ストレス、鎮痛薬、ピロリ菌 | 多量の飲酒、胆石、喫煙 |
受診の目安
まず、待たずに動いていただきたい状況からお伝えします。
判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。
急いで受診してください(救急要請もご検討ください)
- 激しい腹痛・背部痛が数時間以上続き、おさまらない
- 強い痛みに嘔吐を伴う、水分もとれない
- 強い痛みに発熱を伴う
- 顔色が悪い、冷や汗、ぐったりして動けない、意識がはっきりしない
- 白目や皮膚が黄色い(黄疸)、尿が濃い茶色になった
- お腹が板のように硬く、押すと激しく痛む
- 黒いタール状の便、吐血がある
夜間・休日でこれらに当てはまるときは、診療時間を待たずに救急外来の受診や119番をご検討ください。
早めの受診をおすすめします
- みぞおちや背中の痛みが数日以上続いている、繰り返している
- 食後や飲酒後に痛みが出やすい
- 市販の胃薬を試したが改善しない
- 体重が意図せず減ってきた、食欲が落ちた
- 便が白っぽい、油が浮くような便が出る
- 健診で血糖値が急に悪化した、胆石を指摘されたことがある
膵臓の病気の主な原因とされるもの
膵臓の炎症について、原因として多く挙げられるのは次の2つです。
- 多量の飲酒:厚生労働省のe-ヘルスネットでは、男性ではアルコールの飲みすぎが急性すい炎の約半数、慢性すい炎の約8割弱を占めるとされています。
- 胆石:MSDマニュアル家庭版では、胆石が総胆管に詰まって膵液の流れが妨げられることが急性膵炎の主な原因のひとつと説明されています。
- 喫煙:慢性膵炎の要因のひとつとして挙げられています。
- そのほか:一部の薬剤、中性脂肪の著しい高値、膵管の狭窄や腫瘍、体質などが背景になることもあります。原因がはっきりしない場合もあります。
予防という点では、お酒の量を適正に保つこと、禁煙、脂質や体重の管理が現実的な対策とされています。
どんな検査で調べるのか
膵臓は体の奥にあるため、外から触れて確かめることが難しい臓器です。そのため、次のような検査を組み合わせて評価していきます。
- 血液検査:膵臓の酵素(アミラーゼ、リパーゼ)や肝機能・胆道系の項目、炎症の数値、血糖などを確認します。
- 画像検査:腹部超音波(エコー)、CT、MRI・MRCP、超音波内視鏡などで膵臓や胆道の状態を調べます。何を行うかは症状や経過によって判断されます。
- 胃の検査:胃や十二指腸が原因と考えられる場合には、内視鏡検査で確認することがあります。
血液検査だけで判断がつかないことも、画像検査だけで完結しないこともあります。症状の経過と合わせて総合的に考えていくことになります。
当院での対応
当院は内科・消化器内科(胃腸科)を標榜し、胆石症など肝胆膵疾患の診療も行っています。まずは症状の経過を伺い、診察と血液検査で炎症や膵臓・肝胆道系の数値を確認します。そのうえで、必要に応じて検査や専門医療機関へのご紹介を行います。緊急性が高いと判断した場合には、その場で速やかにご紹介する体制をとっています。
- 予約:ご予約なしで当日受診いただけます。混雑状況により待ち時間が生じる場合があります。
- 所要時間:診察と採血であれば10〜20分程度が目安です。追加の検査を行う場合は別途お時間をいただきます。
- 受診しやすい時間帯:朝7時から診療しているため、お仕事前の受診もしやすくなっています。
- 食事について:強い痛みがあるときは無理に食事をとらず、まずはご相談ください。検査によっては絶食が必要になることがあるため、事前にお電話でご確認いただくと確実です。
- 費用:症状に対する検査は保険診療の対象となります。金額は内容により異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
- 持ち物:健康保険証(マイナ保険証)、お薬手帳、健診結果や他院の検査結果(お持ちの方)。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから、どのくらいの強さで、何時間くらい続いているか
- 食事や飲酒との関係、痛みが楽になる姿勢があるか
- 嘔吐・発熱・黄疸・体重減少・便の色の変化があるか
- お酒の量と頻度、喫煙の有無
- 胆石や膵炎を指摘されたことがあるか、ご家族に膵臓の病気の方がいるか
- 服用中のお薬(市販の鎮痛薬・胃薬を含む)
参考にした情報
みぞおちや背中の痛みが続くときは、我慢せずご相談ください。ご予約なしで受診いただけます。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
