みぞおちのあたりが痛みます。市販薬で様子を見てもいいですか?
A. 回答食べすぎ・飲みすぎのあとの軽い痛みであれば、市販の胃薬と食事の調整で数日のうちに落ち着くこともあります。一方で、みぞおち(医学的には「心窩部(しんかぶ)」といいます)の奥には胃だけでなく、食道・十二指腸・胆のう・膵臓(すいぞう)・心臓などが集まっており、胃以外の病気が痛みの原因になっている場合もあります。痛みが2週間以上続く、何度も繰り返す、黒い便・吐血・体重減少などを伴う——こうした場合は市販薬で様子を見続けず、消化器内科(胃腸科)でご相談ください。
みぞおちの痛みで多い原因
心窩部痛の背景としては、次のようなものが一般的に知られています。
- 急性・慢性の胃炎:暴飲暴食、香辛料やアルコール、痛み止めの内服、強いストレスなどをきっかけに胃の粘膜が荒れ、キリキリとした痛みや吐き気が出ることがあります。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:粘膜が深く傷つく状態です。空腹時や夜間に痛みが強くなる、食後にいったん和らぐ、といった経過をとることがあるとされています。
- 逆流性食道炎:胃酸が食道へ逆流して起こる炎症です。みぞおちの痛みに加え、胸やけ、酸っぱいものが上がる感じ、げっぷ、のどの違和感などを伴うことがあります。
- 機能性ディスペプシア:検査ではっきりした異常が見つからないのに、みぞおちの痛みや灼熱感、食後のもたれ、少し食べただけで満腹になる感じが慢性的に続く状態です。生活リズムの乱れやストレスが関わるとされています。
- ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染:胃の粘膜に住みつく細菌で、慢性胃炎や潰瘍の背景となり、胃がんのリスクにも関係するとされています。感染の有無は検査で調べることができます。
- 胃以外の原因:胆石症、膵炎、さらには心臓の病気が、みぞおちの痛みとして感じられる場合もあります。
受診の目安
「胃薬で様子を見てよいか」を判断するうえで、次のようなサインが参考になります。
判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。
すぐに受診を検討してください
- 吐血した(血を吐いた、コーヒーかすのような黒っぽいものを吐いた)
- 黒くてドロっとしたタール状の便が出た
- 突然はじまった激しい腹痛が続いている、冷や汗や顔面蒼白を伴う
- 痛みが背中や胸、肩にまで広がる、息苦しさや動悸を伴う
- 高熱や繰り返す嘔吐があり、水分もとれない
- お腹が板のように硬くなり、押すと強く痛む
吐血や黒色便は胃・十二指腸からの出血、突然の激痛は潰瘍の穿孔(穴があくこと)・膵炎・胆道の炎症・心臓の病気などの可能性があり、急いで対応が必要とされている状態です。意識がもうろうとする、冷や汗をかいてぐったりするといった場合は迷わず救急要請(119番)を、診療時間外であれば救急外来の受診もご検討ください。
早めの受診をおすすめします
- 市販薬を数日試しても改善しない、やめると再び痛む
- 痛みが2週間以上続く、または何度も繰り返す
- 特にダイエットをしていないのに体重が減ってきた
- 食欲が落ちた、食べ物が飲み込みにくい
- 健診で貧血を指摘された
- 痛み止めや血液をさらさらにする薬を飲んでいる
- ご家族に胃がんの方がいる、ピロリ菌の検査を受けたことがない
当院での対応
いなだ医院は消化器内科(胃腸科)を標榜しており、みぞおちの痛みについて、いつからどのように痛むか、食事との関係、内服中のお薬などをうかがったうえで、必要に応じて血液検査・腹部エコー・ピロリ菌の検査などを組み合わせて原因を確認していきます。胃の中を直接確かめたほうがよいと判断した場合には、新世代の内視鏡システムによる胃カメラをご案内しています。鼻から挿入する経鼻内視鏡にも対応しており、検査中に医師と会話できるのが特徴です。検査の進め方や当日の流れについては、事前にご説明したうえで一緒に決めていきます。まずはお気軽にご相談ください。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから、どのくらい続いているか
- 空腹時・食後など、どんなときに起こりやすいか
- 便の色、吐き気、胸やけ、体重の変化などほかに気になる症状はあるか
- 市販薬を含め、現在飲んでいるお薬(お薬手帳をお持ちください)
- これまでに胃カメラやピロリ菌の検査を受けたことがあるか
参考にした情報
みぞおちの痛みが長引くとき、便の色が気になるときは、我慢せずご相談ください。朝7時から診療しています。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
