脂っこい食事のあとに右の上腹部から背中にかけて痛みます。胆石でしょうか?
A. 回答脂っこい食事のあと、右の肋骨の下やみぞおちが痛み、その痛みが右の背中や肩のほうへ広がる——このような痛み方は、胆石による「胆道痛(たんどうつう)」の典型的な現れ方のひとつとされています。胆のうは脂肪の消化を助ける胆汁をためる袋で、脂っこい食事をとると縮んで胆汁を出すため、石があると痛みが誘発されやすいと考えられています。ただし、胃や十二指腸の病気など別の原因で似た痛みが出ることもあり、痛み方だけで見分けることは難しいとされています。腹部超音波(エコー)検査などで調べられる症状ですので、繰り返すようであれば消化器内科でご相談ください。
右上腹部の痛みで考えられる主な原因
右の上腹部からみぞおちにかけての痛みには、次のような原因が挙げられます。
- 胆のう結石(胆石症):胆のうの中にできた石が、胆汁の出口をふさぐことで痛みが起こるとされています。食後、とくに脂肪の多い食事のあとに出やすいのが特徴のひとつです。
- 胆のう炎:石などによって胆のうに炎症が起こった状態で、持続する痛みに発熱を伴うことがあるとされています。
- 総胆管結石・胆管炎:石が胆のうから胆管へ落ちて詰まると、腹痛・発熱に加えて黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)が現れることがあるとされています。
- 胃・十二指腸の病気:胃炎や潰瘍などでも、みぞおちから右上腹部にかけての痛みが出ることがあります。
- 肝臓・膵臓の病気:脂肪肝や膵臓の炎症などが、上腹部や背部の症状として現れる場合もあります。
胆石の痛みには特徴がありますか
典型的とされる現れ方はありますが、あくまで目安です。当てはまらないから胆石ではない、とは言えません。
| 項目 | 胆石による胆道痛(一般的とされる特徴) | 胃の不調でみられやすい痛み |
|---|---|---|
| 起こるきっかけ | 脂っこい食事のあと、しばらくしてから起こることが多いとされています | 空腹時や食後など、人によってさまざまです |
| 痛む場所 | 右の肋骨の下、またはみぞおち | みぞおち中心のことが多いとされています |
| 広がり方 | 右の背中や右肩へ抜けるように広がることがあります | 背中へ広がることは比較的少ないとされています |
| 続き方 | 強い痛みが数十分〜数時間続き、おさまることがあります | 鈍い痛みや不快感が続くことがあります |
| 繰り返し | 間隔をあけて同じような発作を繰り返すことがあります | 体調や食事内容で強くなったり弱くなったりします |
受診の目安
胆石そのものより、合併症が起きているかどうかが重要とされています。次のサインにご注意ください。
すぐに受診を検討してください
- 強い腹痛に発熱(さむけ・ふるえを伴うことも)がある
- 白目や皮膚が黄色くなる(黄疸)、尿が濃い茶色になる、便の色が白っぽくなる
- 痛みが数時間以上おさまらない、どんどん強くなる
- お腹を押すと強く痛む、吐き気や嘔吐が続いて水分もとれない
- ぐったりする、意識がぼんやりする、血圧が下がっている感じがする
これらは胆のう炎・胆管炎・膵炎などの可能性があり、急いで受診が必要とされている状態です。診療時間外であれば救急外来の受診もご検討ください。
早めの受診をおすすめします
- 脂っこい食事のあとの右上腹部・背中の痛みを、以前にも経験したことがある
- 短時間でおさまったが、同じような痛みを繰り返している
- 健診や人間ドックの腹部超音波検査で「胆石があります」と言われたことがある
- みぞおちの不快感や吐き気が続き、市販薬で改善しない
- 食欲が落ちてきた、体重が減ってきた
胆石が見つかったらどうなりますか
胆石は腹部超音波(エコー)検査で調べられることが多く、必要に応じて血液検査やCT・MRIなどの画像検査が追加されます。腹部超音波検査はお腹にゼリーを塗って器具を当てるだけの検査で、痛みや放射線被ばくはなく、10分程度で終わることが一般的です。より正確に見るために、検査前は数時間食事を控えていただくことがあります。
治療については、症状のない胆石は、すぐに治療せず定期的な検査で経過をみる(経過観察)方針がとられることもあります。一方で、痛みの発作を繰り返す場合や、胆のう炎などの合併症を起こした場合には、手術を含めた治療が検討されることがあります。石の状態や年齢、ほかの病気の有無によって方針は変わりますので、「石がある=すぐ手術」というわけではありません。まずは今の状態を正しく把握することが大切です。
当院での対応と受診の実際
いなだ医院は消化器内科(胃腸科)を標榜しており、公式ホームページでご案内しているとおり、胆石症など肝胆膵(かんたんすい)疾患の診療を行っています。まず痛みの起こり方や食事との関係、これまでの経過や健診結果をうかがい、診察のうえで、必要に応じて検査や専門医療機関へのご紹介を行います。
- 予約について:予約なしで当日受診いただけます。診療は月〜土の朝7時から行っていますので、お仕事前の受診もご相談ください。
- 費用の考え方:症状があって受診される場合、診察・検査は保険診療の対象となります。詳しくはお問い合わせください。
- 持ち物:健康保険証(またはマイナ保険証)、お薬手帳、健診や人間ドックの結果票、他院での検査画像やお手紙があればご持参ください。
- 駐車場:無料22台分をご用意しています。両備バス「西中学校前」から徒歩3分です。
痛みが強いとき、発熱や黄疸を伴うときは、お待たせしないよう事前にお電話(086-525-0600)でご相談いただくと安心です。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから、どのくらいの時間痛むか(何分・何時間続いたか)
- どんなときに起こりやすいか(食後か、脂っこい食事のあとか、夜間か)
- 痛む場所と、背中や肩へ広がるかどうか
- 発熱・吐き気・黄疸・尿や便の色の変化があるか
- これまでに同じ痛みがあったか、健診で胆石を指摘されたことがあるか
- 服用中のお薬、これまでの手術歴
参考にした情報
食後の右上腹部・背中の痛みを繰り返している方、健診で胆石を指摘された方は、一度ご相談ください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
