健診で腎臓の数値(eGFR)が低い、尿に蛋白が出ていると言われました。どうすればいいですか?
A. 回答まずは症状がなくても内科でご相談ください。eGFR(推算糸球体濾過量:腎臓が老廃物をこし取る力の目安)の低下や尿蛋白が3か月以上続く状態は慢性腎臓病(CKD)と呼ばれ、初期はほとんど自覚症状が出ないとされています。むくみやだるさが出るのはかなり進んでからのことが多く、「体調がよいから大丈夫」とは判断しにくい病気です。一方で、背景にある高血圧や糖尿病などを早い段階から管理することで、進行をゆるやかにできる可能性があるとされています。健診で指摘されたことは、早く気づけたサインとお考えください。
eGFRと尿蛋白は何を見ている数値か
健診結果では別々の欄に並んでいますが、どちらも腎臓の状態を別の角度から見た指標です。
| 項目 | eGFR(推算糸球体濾過量) | 尿蛋白 |
|---|---|---|
| 調べ方 | 血液中のクレアチニンと年齢・性別から計算 | 尿の検査(+、2+などで表示) |
| 見ているもの | 老廃物をこし取る力がどれくらい残っているか | 本来もれないはずの蛋白が尿にもれていないか |
| 指摘される方向 | 低いと指摘される | 陽性(+以上)で指摘される |
| 目安とされる値 | 60(mL/分/1.73m²)未満が続く場合 | 陽性が続く場合 |
日本腎臓学会では、このどちらか(または両方)が3か月以上続く場合を慢性腎臓病(CKD)としています。国内では成人のおよそ8人に1人にあたるとされ、決してまれな状態ではありません。ただし一度の健診結果だけでは判断できず、脱水や発熱、激しい運動の直後などで一時的に数値が動くこともあるため、再検査での確認が大切とされています。
腎機能が下がる主な背景
腎臓は細い血管の集まりでできているため、血管に負担のかかる状態が続くと影響を受けやすいと言われています。
- 高血圧:腎臓の細い血管に負担がかかり、腎機能の低下につながることがあります。腎機能が下がるとさらに血圧が上がりやすくなる関係も知られています。
- 糖尿病:高い血糖が続くことで腎臓の濾過機能が傷み、尿にアルブミン(蛋白の一種)がもれ出てくる場合があります。
- 加齢:年齢とともにeGFRは少しずつ下がっていくのが一般的とされています。
- 腎臓そのものの病気:慢性糸球体腎炎など、腎臓自体の炎症が背景にある場合もあります。
- そのほか:肥満、喫煙、脂質異常症、高尿酸血症、腎臓や尿路の病気の家族歴なども関係するとされています。
受診の目安
CKDは自覚症状に乏しいため、症状の有無ではなく健診結果をきっかけに考えるのが現実的です。
すぐに受診を検討してください
- 尿の量が急に減った、ほとんど出ない
- 顔・まぶた・足が急にむくんだ、体重が数日で急に増えた
- 尿が赤い・コーラのような色をしている(血尿が疑われる)
- 強いだるさ、吐き気、息苦しさをともなう
- 尿が泡立って消えにくい状態が続き、むくみも出てきた
早めの受診をおすすめします
- 健診で「eGFR低下」「尿蛋白陽性」「要精密検査」と判定された
- 高血圧・糖尿病で通院しておらず、腎臓の数値も指摘された
- 去年より今年とeGFRが下がってきている
- 市販の痛み止めを長く続けて飲んでいる
- ご家族に腎臓の病気や透析を受けている方がいる
腎臓に負担をかけうる生活習慣
心当たりはありませんか?
- 血圧が高めだが治療していない、あるいは自宅で測っていない
- 健診で血糖やHbA1cも指摘されている
- 味の濃い食事が多く、塩分をとりすぎている自覚がある
- 頭痛や腰痛などで市販の解熱鎮痛薬を常用している
- 喫煙している、水分をあまりとらない、脱水になりやすい
- サプリメントや健康食品を自己判断で複数続けている
塩分のとりすぎは血圧を通じて腎臓の負担につながるとされています。また、市販のものを含めて痛み止めなどの薬を長期間続けて使うことが腎臓に影響する場合があるとされており、常用している場合は自己判断で続けず、一度医師にご相談ください。ご自身の判断で急に中止する必要はありませんので、飲んでいるものをそのままお持ちいただければ確認します。
当院での対応・検査
当院は内科を標榜し、かかりつけ医として高血圧・糖尿病などの生活習慣病の管理を行っています。健診結果をお持ちいただければ、採血(腎機能・血糖・脂質など)と尿検査で状態を確認し、血圧の測定や必要に応じた検査とあわせて、背景にある要因を一緒に整理します。腎臓そのものの精密な検査や専門的な治療が必要と判断した場合には、連携する専門医療機関へご紹介します。ご紹介後も、血圧・血糖の日常的な管理は当院で継続して行えます。
- 予約:ご予約なしで当日受診いただけます。混雑状況により待ち時間が生じる場合があります。
- 所要時間:採血・尿検査自体は10〜20分程度が目安です。結果の詳しい説明は次回受診時になることがあります。
- 費用:健診異常の精査は保険診療の対象となります。金額は検査内容により異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
- 持ち物:健康保険証(マイナ保険証)、健診結果の用紙(過去の分もあると経過を追いやすくなります)、お薬手帳、市販薬やサプリメントの現物または写真。
- 当日の準備:尿検査を行いますので、直前にトイレを済ませずにお越しいただけると受付後スムーズです。朝7時から診療しているため、お仕事前の受診もしやすくなっています。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから指摘されているか、過去の健診でのeGFRや尿蛋白の推移
- 血圧・血糖について指摘や治療歴があるか、自宅での血圧の値
- むくみ、尿の泡立ち、夜間のトイレの回数の変化があるか
- 服用中のお薬、市販薬(痛み止めなど)、サプリメントの内容と使用期間
- ご家族に腎臓の病気の方がいるか
健診結果をお持ちのうえ、まずは一度ご相談ください。ご予約なしで受診いただけます。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
