季節の変わり目になると体調を崩します。気のせいでしょうか?
A. 回答気のせいと片づけなくて大丈夫です。1日のうちや数日のあいだで気温が大きく上下する時期は、体温・血圧・発汗などを調節している自律神経のはたらきに負担がかかりやすく、だるさ、眠りの浅さ、頭の重さ、肩こり、胃腸の不調などが出やすくなるとされています。一方で、これらの症状は貧血や甲状腺の病気、血圧の変動、睡眠時無呼吸など、検査で確かめられる原因でも起こります。「季節のせい」と決めつけてしまうと、そうした原因を見逃すことがあります。毎年つらい、年々ひどくなっているという方は、一度内科でご相談ください。
寒暖差で体調が揺れやすいのはなぜか
体温や血圧、汗のかき方、消化管の動きなどは、意識しなくても自律神経によって細かく調節されています。気温が急に上下すると、この調節が短い時間で何度も切り替わることになり、負担がかかりやすいと考えられています。
季節の変わり目には、気温差だけでなく、日照時間の変化、気圧の変動、生活リズムの変化(新学期・異動・繁忙期など)が重なりやすいことも影響します。よく訴えられるのは、次のような症状です。
- だるさ・疲れやすさ:休んでもすっきりしない、午前中に体が動かない
- 睡眠の乱れ:寝つけない、途中で目が覚める、寝ても疲れが残る
- 頭の重さ・肩こり:天気が変わる前後に強くなることがある
- 胃腸の不調:食欲が落ちる、お腹が張る、便通が乱れる
- 冷えとほてり:手足は冷えるのに顔がのぼせる
- 気分の落ち込み・意欲の低下
なお、こうした状態に「自律神経失調症」という言葉が使われることがありますが、これは特定のひとつの病気を指す診断名として使われているわけではありません。症状の呼び名で終わらせず、背景に何があるかを確かめていくことが大切です。
決めつける前に確認しておきたいこと
「寒暖差のせい」と思っていた症状が、検査で説明のつく状態だったということは珍しくありません。次のようなものは、外来で比較的簡単に確認できます。
- 貧血:だるさ、動悸、息切れ、頭が重い、といった形で出ることがあります。採血で確認できます。
- 甲状腺の機能:MSDマニュアル家庭版では、甲状腺機能低下症で疲労、体重増加、寒さに耐えられない、便秘などがみられ、通常は血液検査で診断が確定するとされています。逆に機能が高い場合は動悸や汗、体重減少が出ることがあります。
- 血圧の変動:立ちくらみやふらつきの背景に、血圧の下がりすぎ・上がりすぎが隠れていることがあります。家庭血圧の記録が役立ちます。
- 睡眠時無呼吸:いびきや日中の強い眠気を伴う場合、睡眠中の呼吸の乱れが疲労感の原因になっていることがあります。
- 血糖・肝機能・腎機能:健診で指摘されたことがある方は、あわせて確認しておくと安心です。
- お薬の影響:服用中の薬が、だるさや血圧の変動に関係していることもあります。
- 気分の問題:季節による気分の落ち込みが目立つ場合もあり、体の検査と両方の視点が必要になります。
これらに異常がなければ、「体の病気としては確認できる範囲で問題がなさそう」という安心につながり、生活の工夫に集中しやすくなります。
受診の目安
季節の不調の多くは急を要しませんが、次のような場合は例外です。
判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。
すぐに救急要請(119番)を検討してください
- 入浴中・入浴直後に意識がもうろうとする、反応が鈍い、浴槽内でぐったりしている(冬場のヒートショックによる事故が知られています。ご家族が異変に気づいた場合はすぐに119番を)
- 突然の激しい頭痛、片側の手足に力が入らない、ろれつが回らない
- 胸の締めつけ感や強い息苦しさが続く
- 倒れた、けいれんした、意識が戻らない
消費者庁は冬季の入浴中の事故について、事前に脱衣所や浴室を暖める、湯温は41度以下・10分までを目安にする、浴槽から急に立ち上がらない、飲酒後や食後すぐの入浴を避ける、入浴前に同居の方に一声かけるといった対策を呼びかけています。
早めの受診をおすすめします
- だるさや不調が2週間以上続いている、日常生活や仕事に支障が出ている
- 年々症状が強くなっている、季節に関係なく続くようになってきた
- 体重が意図せず減った・増えた、微熱が続く
- 動悸、息切れ、むくみ、強い冷えを伴う
- いびきが大きい、日中に強い眠気がある
- 立ちくらみやふらつきを繰り返す
- 気分の落ち込みが強く、興味や意欲がわかない状態が続く
今日からできる日常の工夫
できているものに印をつけていく気持ちでご覧ください。全部やろうとせず、ひとつずつで構いません。
寒暖差の負担を減らす工夫
- 衣服で小刻みに調節する:厚手の1枚より、羽織りものを重ねて脱ぎ着できるようにする
- 首・手首・足首を冷やさない:外出時にストールや靴下で調節する
- 屋内外の温度差を減らす:冷暖房の設定を強くしすぎない。脱衣所や浴室も暖めておく
- 入浴でリズムをつくる:e-ヘルスネットでは、40℃程度のお湯に10〜15分つかると深い睡眠が増え、就寝の1〜2時間前の入浴がよいとされています
- 睡眠のリズムを整える:起きる時刻をなるべく一定にし、朝に光を浴びる。夜のスマートフォンの強い光は控えめに
- 水分をこまめにとる:涼しくなると喉の渇きを感じにくく、水分が不足しがちです
- 体を動かす:早歩きなどの有酸素運動を、就寝の2〜4時間前までを目安に
- 食事を抜かない:特に朝食は体内時計を整える助けになるとされています
寒暖差で鼻水・くしゃみが出るとき
暖かい部屋から外に出た瞬間に鼻水が出る、朝晩だけくしゃみが止まらない。こうした症状は「寒暖差アレルギー」と呼ばれることがありますが、医学的には血管運動性鼻炎という非アレルギー性の鼻炎に含めて考えられることが多い状態です。
MSDマニュアル家庭版では、血管運動性鼻炎はアレルギーがあるようにはみえないのに鼻づまり・くしゃみ・鼻水が出る慢性鼻炎の一種で、乾燥した空気や刺激物で悪化しやすいと説明されています。花粉症などのアレルギー性鼻炎と症状が似ているため、区別には検査が役立ちます。当院はアレルギー科も標榜しており、アレルギーの有無を調べたうえで対応をご提案できます。
当院での対応・検査
当院は内科を中心に、循環器内科・呼吸器内科・アレルギー科などを標榜しています。まず症状の経過を伺い、必要に応じて採血(血算・甲状腺・血糖・肝腎機能など)、血圧測定、心電図といった検査で、確認できる原因がないかを調べます。そのうえで、生活リズムや環境の工夫を具体的にご相談し、さらに詳しい検査や専門的な治療が必要な場合は専門医療機関へのご紹介も行います。
- 予約:ご予約なしで当日受診いただけます。混雑状況により待ち時間が生じる場合があります。
- 所要時間:診察と採血・心電図であれば10〜20分程度が目安です。結果の説明は次回受診時になることがあります。
- 受診しやすい時間帯:朝7時から診療しているため、お仕事や学校の前にも受診いただけます。
- 費用:症状に対する検査は保険診療の対象となります。金額は内容により異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
- 持ち物:健康保険証(マイナ保険証)、お薬手帳、健診結果の用紙や家庭血圧の記録(お持ちの方)。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつ頃から、どの季節に、どのくらいの期間つらいか
- 1日のうちでいつが一番つらいか(朝・日中・夜)
- 睡眠の状況(寝つき、途中で目が覚めるか、いびき、日中の眠気)
- 体重・食欲・便通の変化
- お仕事や家庭の生活リズム、屋外作業の有無
- 服用中のお薬やサプリメント
参考にした情報
毎年つらい季節がある方は、一度確認しておくと安心です。ご予約なしで受診いただけます。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
