動脈硬化を防ぐには何をすればいいですか?健診で指摘されたことはないのですが心配です
A. 回答動脈硬化は、動脈が硬くなって弾力を失い、血管の壁が厚くなって内側が狭くなっていく変化のことです。加齢・喫煙・高血圧・脂質異常症・糖尿病・飲酒といった危険因子が重なるほど進みやすくなるとされています。やっかいなのは、進行しても自覚症状がほとんど出ないことです。だからこそ「症状がないから大丈夫」ではなく、健診の数値を定期的に確認し、禁煙・食事・運動・体重といった生活習慣を早めに整えておくことが対策の柱になります。今まで指摘がない方も、心配になった今が見直しのよいタイミングです。
動脈硬化とはどんな状態か
動脈は心臓から送り出された血液を全身へ運ぶ血管です。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、動脈が硬くなって弾力性が失われた状態を動脈硬化と呼び、血管の壁にプラーク(脂質などのかたまり)がたまって内側が狭くなり、血のかたまり(血栓)ができやすくなると説明されています。
この変化は数年から数十年かけて少しずつ進み、途中で痛みなどの自覚症状が出ることはほとんどないとされています。血管が細くなって血流が足りなくなったり、詰まったりして初めて、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞といった形で表面化することがあります。「症状がない=進んでいない」とは限らない点が、この病態のいちばんの注意点です。
危険因子のセルフチェック
動脈硬化は、ひとつの原因で起こるというより、複数の危険因子が重なることで進みやすくなるとされています。当てはまる項目がいくつあるか、数えてみてください。
こんな項目に当てはまりませんか?
- 高血圧:血圧が高いと言われたことがある、または家庭血圧が高めのことがある
- 脂質異常症:LDLコレステロールや中性脂肪が高い、HDLコレステロールが低いと指摘された
- 糖尿病・血糖高値:血糖値やHbA1cが高い、「境界型」と言われたことがある
- 喫煙:現在たばこを吸っている、または以前吸っていた
- 肥満・内臓脂肪:腹囲が気になる、体重が以前より増えた
- 加齢:男性は45歳以上、女性は閉経後にリスクが高まりやすいとされています
- 家族歴:ご家族に若いうちの心筋梗塞・狭心症・脳卒中の方がいる
- そのほか:運動不足、多量の飲酒、慢性腎臓病を指摘されている
当てはまる数が多いほど注意が必要とされますが、ゼロだから安心というものでもありません。加齢や体質のように自分では変えられない因子もあるため、変えられる因子(喫煙・血圧・血糖・脂質・体重)にどう手を打つかが現実的な考え方になります。
受診の目安
動脈硬化そのものは静かに進みますが、その先に起こりうる出来事には、時間との勝負になるものがあります。
判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。
すぐに救急要請(119番)を検討してください
- 胸の中央が締めつけられる・押さえつけられるような痛みや圧迫感が続いている(20分以上おさまらない場合は特に注意とされています)
- 胸の症状に加えて、冷や汗、吐き気、息苦しさ、肩・あご・背中への広がりがある
- 顔の片側がゆがむ(Face)/片腕が上がらない・下がってくる(Arm)/ろれつが回らない・言葉が出ない(Speech)が突然現れた。この3つは脳卒中を疑うサイン「FAST」とされ、症状が出た時刻(Time)を確認してすぐ119番へ
- 突然の激しい頭痛、片目が急に見えにくい、意識がもうろうとする
早めの受診をおすすめします
- 坂道や階段で胸が苦しくなり、休むとおさまる(動いたときだけ出る胸の症状)
- 歩いているとふくらはぎが痛くなり、立ち止まると歩けるようになる
- 健診で血圧・血糖・コレステロールのいずれかを指摘された、または数年健診を受けていない
- 喫煙している、または上のチェックリストに複数当てはまる
- ご家族に若くして心筋梗塞・脳卒中を起こした方がいる
今日から取り組める予防
e-ヘルスネットでは、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)のリスクを高める生活習慣として喫煙、飽和脂肪酸のとりすぎ、飲みすぎ、食塩のとりすぎ、運動不足、ストレスが挙げられ、魚・野菜・大豆製品には予防に働く面があるとされています。
- 禁煙:喫煙は虚血性心疾患の3大危険因子のひとつとされています。やめ方に迷う場合はご相談ください。
- 減塩:汁物を減らす、麺類の汁を残す、味付けを薄めにするなど、続けられる工夫から。
- 食事の内容:脂身の多い肉や揚げ物、洋菓子を控えめにし、魚・野菜・海藻・大豆製品を増やす。
- 運動:早歩きなどの有酸素運動を1日合計30分程度を目安に。まとめてでなくても構いません。
- お酒:多量の飲酒は危険因子とされています。休肝日を設けるなど量の見直しを。
- 数値を知っておく:家庭血圧を測る、健診を毎年受ける。変化に気づけることが最大の予防になります。
当院での対応・検査
当院は内科・循環器内科を標榜しており、症状がない段階でのご相談も歓迎しています。血圧測定、採血(脂質・血糖・腎機能など)、心電図といった基本的な検査で、危険因子が今どうなっているかを確認し、結果に応じて生活習慣の具体的な工夫や継続的な管理をご提案します。より詳しい検査が必要と判断した場合は、専門医療機関へのご紹介も行います。
- 予約:ご予約なしで当日受診いただけます。混雑状況により待ち時間が生じる場合があります。
- 所要時間:採血・心電図などの検査自体は10〜20分程度が目安です。結果の説明は次回受診時になることがあります。
- 受診しやすい時間帯:朝7時から診療しているため、お仕事前の受診もしやすくなっています。
- 費用:症状や健診異常についての検査は保険診療の対象となります。金額は内容により異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
- 持ち物:健康保険証(マイナ保険証)、健診結果の用紙(お持ちの方)、お薬手帳。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつ頃の健診でどんな数値を指摘されたか(過去の結果があるとより判断しやすくなります)
- 喫煙・飲酒・運動・食事の習慣
- 家庭で血圧を測っている場合はその記録
- ご家族に心筋梗塞・脳卒中・糖尿病の方がいるか
- 服用中のお薬やサプリメント
参考にした情報
症状がないうちの確認がいちばんの対策です。まずは一度ご相談ください。ご予約なしで受診いただけます。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
