子どものほっぺが赤くなりました。りんご病でしょうか?妊婦がうつると危ないと聞きました
A. 回答両方の頬がりんごのように赤くなり、続いて腕や脚に網目状・レース状の発疹が広がるのは、りんご病(伝染性紅斑)でよくみられる症状とされています。原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスで、多くのお子さんは元気に過ごせて、発疹も1週間ほどで自然に消えていく経過が一般的とされています。ここでいちばん知っておいていただきたいのは、ほっぺが赤くなった時点では、すでにウイルスを出す時期は過ぎていて、感染力はほぼ失われているとされることです。そのため、全身の状態がよければ登園・登校できるとされています。ただし、これまでにかかったことのない方が妊娠中に感染すると、胎児に影響が出ることがあるとされています。妊娠中の方は流行している時期に注意し、心配な場合はかかりつけの産科の医師にご相談ください。
りんご病(伝染性紅斑)でよくみられる症状
りんご病は、幼児から学童期のお子さんに多くみられる発疹の出る感染症とされ、次のような経過をたどることが多いとされています。
- かぜのような前ぶれの症状:感染してから1週間ほどで、微熱、鼻水、のどの違和感、だるさなど、かぜとよく似た軽い症状がみられることがあるとされています。この時点でりんご病と気づかれることはほとんどありません。
- 両頬の赤い発疹:感染からおよそ10〜20日後に、両方の頬に境目のはっきりした赤い発疹が出るとされています。「蝶の羽のような形」と表現されることもあり、りんごのように赤く見えることから「りんご病」と呼ばれています。
- 手足のレース状の発疹:頬の赤みに続いて、腕や太もも、おしりなどに網目状・レース状の赤い発疹が広がるとされています。かゆみを感じることもあります。
- 1週間ほどで消えるが、ぶり返すこともある:発疹は通常1週間程度で消えていくとされていますが、日光にあたる、入浴する、運動する、こするなどの刺激で一時的に再び目立つことがあるとされています。
- 症状が出ない人もいる:感染しても4分の1ほどは症状が出ないまま経過するとされています(不顕性感染)。
- 大人では関節の痛み:大人が感染した場合、頬の赤みははっきりせず、手指や手首、膝などの関節痛やむくみが目立つことがあるとされています。
うつる時期は「ほっぺが赤くなる前」とされています
りんご病でとても大切なポイントは、感染力がいちばん強いのは、かぜのような症状が出ている前ぶれの時期だという点です。特徴的な頬の赤みが出るころには、ウイルスを出す時期はすでに過ぎており、感染力はほぼ失われているとされています。
| 時期 | そのときの様子 | 人にうつる力 |
|---|---|---|
| 前ぶれの時期(感染後1週間ごろ) | 微熱・鼻水・のどの違和感など、かぜと区別がつきにくい | 強いとされています |
| 発疹の時期(感染後10〜20日ごろ) | 両頬が赤くなり、手足にレース状の発疹が出る | ほぼ失われているとされています |
つまり、りんご病は「気づいたときにはうつし終わっている」ことが多い感染症で、周囲の人が知らないうちに広げてしまいやすいとされています。主な感染経路は、せきやくしゃみによる飛沫感染と、手などを介した接触感染とされ、ワクチンはないため、こまめな手洗いとせきエチケットが基本的な予防策とされています。
妊娠中の方に知っておいていただきたいこと
りんご病はお子さんにとっては多くの場合軽い病気ですが、これまでに感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合には注意が必要とされています。ウイルスが胎盤を通じて胎児に感染し、胎児水腫(胎児のむくみ)や流産・死産といった重い状態につながることがあるとされています。ただし、感染したすべての方にこうしたことが起こるわけではないとされており、また先天異常(生まれつきの体の形の異常)を起こすことは知られていないとされています。
- まずは過度に心配しすぎないでください:多くの大人はすでに子どものころに感染して免疫を持っているとされています。また、感染しても必ず胎児に影響が出るわけではないとされています。
- 流行しているときは接触を控える:保育園・幼稚園・学校でりんご病が広がっているときは、妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、患者さんとの接触をできるだけ避けることがすすめられています。
- 手洗い・せきエチケットを丁寧に:ワクチンがないため、日常的な感染対策が予防の中心とされています。
- 心配なときは産科の医師へ:ご家族や職場でりんご病の方と接触した、妊娠中に発疹や関節痛が出たといった場合は、自己判断せず、かかりつけの産科の医師にご相談ください。血液検査で過去に感染したことがあるかを調べられる場合があります。
また、遺伝性球状赤血球症などの溶血性貧血(赤血球が壊れやすい体質の病気)がある方では、このウイルスに感染すると一時的に赤血球がつくられにくくなり、強い貧血の発作を起こすことがあるとされています。免疫が低下している方とあわせて、こうした持病のある方は流行時にご注意ください。
保育園・幼稚園・学校はいつから行けますか
りんご病は、学校保健安全法で一律に出席停止の期間が定められている感染症ではないとされています。発疹が出ている時期には感染力がほぼ失われているとされることから、全身の状態がよければ登園・登校できるとされるのが一般的です。
- 施設の方針を必ず確認してください:登園・登校の可否や、書類の要否は園・学校によって異なります。まずは通っている施設にご確認ください。
- 熱があるとき、元気がないときは休ませてください:発疹が消えているかどうかよりも、全身の状態と発熱の有無が目安になるとされています。
- 発疹はぶり返すことがあります:日光・入浴・運動などで一時的に赤みが強くなることがありますが、それ自体が「まだうつる」という意味ではないとされています。
受診の目安
りんご病の多くは自然に軽快するとされますが、他の病気との区別が必要な場合や、注意が必要な体質・状況の方もいます。
夜間・休日にお子さまのことで迷われるときは、こども医療でんわ相談「#8000」(岡山県)にご相談いただけます。日本小児科学会の「こどもの救急」も目安になります。
すぐに受診を検討してください
- ぐったりして反応が乏しい、呼びかけへの反応がいつもと違う
- 顔色が非常に悪い、唇が白い、少し動いただけで息が切れる(強い貧血が疑われます)
- 高熱が続く、強い頭痛や嘔吐を繰り返す
- 発疹を押しても赤みが消えない点状の出血のように見える、皮膚に紫色のあざが増えてきた
- 水分がとれない、おしっこが半日以上出ていない
- もともと溶血性貧血などの血液の病気がある、免疫を抑える治療を受けている方に発熱や発疹が出た
早めの受診をおすすめします
- 発疹が何の病気によるものか分からず、判断がつかない
- 熱が続いている、発疹に強いかゆみがあって眠れない
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある方が、りんご病の方と接触した(産科の医師にもご相談ください)
- 大人で、手指や手首、膝などの関節の痛み・腫れが続いている
- ご家族や園・学校で同じような発疹の方が続いている
- 園や学校から受診をすすめられた
いなだ医院での対応
当院は小児科・感染症内科・内科を標榜しており、お子さまからご家族まで同じ場所でご相談いただけます。診察では、発疹の出ている場所と見え方、出はじめた時期、発熱の経過、周囲での流行の有無などをうかがい、りんご病らしい経過かどうか、他の発疹の出る病気の可能性がないかを含めて診させていただきます。りんご病そのものに対する特効薬はなく、かゆみや熱などの症状をやわらげる対症療法が中心とされています。妊娠中の方の検査や管理については、かかりつけの産科の医師と連携しながらご相談を承ります。
- 予約・受診:診療時間内であれば予約なしで当日受診いただけます。月〜土は朝7時から診療しており、登園・登校前や出勤前の時間帯にも受診いただけます。
- 発熱がある場合:発熱外来として対応しておりますので、来院前に一度お電話(086-525-0600)ください。来院方法や待機場所をご案内します。
- 診察にかかる時間:問診と診察が中心のため、混雑状況にもよりますが、受付からお会計まで30分〜1時間程度が目安です。
- 費用:保険診療の対象となります。お子さまの場合は各自治体の医療費助成の対象となることがあります。詳しくはお問い合わせください。
- 持ちもの:健康保険証(マイナ保険証)、乳幼児医療費受給資格証などの医療証、母子健康手帳、お薬手帳をお持ちください。妊娠中の方は母子健康手帳もご持参ください。発疹は時間とともに変化するため、気づいたときの様子をスマートフォンで撮影しておくと診察の参考になります。
- 駐車場:無料22台分をご用意しています。ニシナ玉島柏島店の西隣りです。
受診時に伝えていただきたいこと
- 発疹がいつから、どこから出はじめたか(頬・腕・脚・おしりなど)
- 発疹が出る前に、かぜのような症状や微熱があったか
- 熱の有無と、何度が何日続いているか
- かゆみの程度、日光や入浴で赤みが強くなるか
- 園・学校やご家庭で、同じような症状の方がいるか
- ご家族に妊娠中の方がいるか(いる場合は必ずお伝えください)
- 血液の病気や、免疫を抑える治療を受けている方がいるか
参考にした情報
発疹の原因がはっきりしないとき、ご家族に妊娠中の方がいて心配なときは、お気軽にご相談ください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
