子どもにかゆい発疹と水ぶくれが出ました。水ぼうそうでしょうか?
A. 回答かゆみのある赤い斑点が出て、それが水ぶくれになり、やがてかさぶたへと変わっていく——このような発疹が全身に広がる場合、水ぼうそう(水痘)の可能性があります。水ぼうそうの発疹は次々に新しく出てくるため、赤い斑点・水ぶくれ・かさぶたといったいろいろな段階のものが同時に混ざって見えるのが特徴とされています。原因は水痘・帯状疱疹ウイルスで、空気感染も起こるため広がりやすく、登園・登校は「すべての発疹がかさぶたになるまで」出席停止と定められています。ただし発疹が出る病気はほかにもありますので、自己判断せず診察でご確認ください。
水ぼうそうの発疹の経過
水ぼうそうの発疹は、次のような順序で変わっていくとされています。
- 赤い斑点・小さなふくらみ:かゆみをともなう赤い点として現れます。おなかや背中、頭皮、髪の生えぎわなどから出はじめることが多いとされています。
- 水ぶくれ(水疱):赤い点は短時間のうちに、透明な液体が入った水ぶくれに変わります。かゆみが強くなるのはこの時期です。
- かさぶた(痂皮):水ぶくれが濁ったのち、乾いてかさぶたになります。
- 混ざって見えるのが特徴:発疹は数日にわたって次々と新しく出てくるため、急性期には赤い点・水ぶくれ・かさぶたが同時に混在します。この見え方が水ぼうそうを疑う手がかりのひとつとされています。
- 発熱:発疹の前後に熱が出ることがあります。頭皮の中や口の中、まぶたのふちなど、思いがけない場所に出ることもあります。
うつってから症状が出るまでの潜伏期間は10〜21日程度とされており、心当たりのある接触から2〜3週間たってから発症することもあります。
うつり方と登園・登校の目安
水ぼうそうは空気感染のほか、飛沫感染や、水ぶくれの中身に触れることによる接触感染でも広がるとされています。感染力が強く、同じ家庭内で接している場合の発症率は90%と報告されています。同じ空間にいるだけでもうつりうるため、園や学校、家庭内で広がりやすい感染症です。
登園・登校については、学校保健安全法で次のように定められています。
登園・登校を再開できる目安
- すべての発疹がかさぶたになっている(一部でも水ぶくれのままのものが残っていれば、まだ出席停止の対象です)
- 熱が下がり、食事がとれて全身の状態が落ち着いている
- 園や学校から求められる登園届・意見書などの書類を用意している
「かさぶたが全部はがれるまで」ではなく「すべての発疹がかさぶたになるまで」が基準です。書類の様式は施設によって異なりますので、通っている園・学校の案内をご確認のうえ、必要なものは受診時にお持ちください。
水ぼうそうと帯状疱疹の関係
水ぼうそうと帯状疱疹は、同じ水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。初めて感染したときに水ぼうそうとして症状が出て、その後ウイルスは知覚神経節と呼ばれる場所に潜んだ状態で体内に残るとされています。これが後年になって再び活動すると、帯状疱疹として現れることがあります。
| 項目 | 水ぼうそう(水痘) | 帯状疱疹 |
|---|---|---|
| 起こり方 | ウイルスに初めて感染したとき | 体内に潜んでいたウイルスが再び活動したとき |
| 発疹の出方 | 全身にばらばらと広がる。頭皮や口の中にも出ることがある | 体の片側の限られた範囲に、帯のようにまとまって出ることが多い |
| 痛み・かゆみ | かゆみが中心 | ピリピリした痛みをともなうことが多い |
| 多い年齢 | 小児に多い | 加齢などにともなって多くなるとされる |
| 周囲への影響 | 空気感染などで広がりやすい | 水ぶくれに触れることで、水ぼうそうにかかったことがない方に水ぼうそうとしてうつることがあるとされる |
受診の目安
水ぼうそうの多くは経過をみながら自然によくなっていきますが、次のような様子がみられる場合は早めにご相談ください。
すぐに受診を検討してください
- ぐったりして反応が鈍い、呼びかけへの反応が悪い
- 強い頭痛やくり返す嘔吐がある
- けいれんを起こした
- 歩き方がふらつく、まっすぐ立てない
- 息が苦しそう、呼吸が速い、強い咳が続く
- 発疹の周りが赤く腫れて熱をもち、痛みが強い(皮膚の細菌感染が疑われる状態とされます)
- 高い熱が続く、いったん下がった熱が再び上がってきた
- 水分がとれず、おしっこが出ていない
早めの受診をおすすめします
- 水ぼうそうかどうかはっきりせず、診断を確かめたい
- かゆみが強く、眠れない・かきむしってしまう
- 発疹が次々に増えている、熱をともなっている
- 園や学校で水ぼうそうが流行している、接触した心当たりがある
- 水痘ワクチンを受けていない、接種歴がはっきりしない
- 登園届・意見書など、園や学校に提出する書類が必要
- ご家族に妊娠中の方、赤ちゃん、持病の治療中の方がいる
- 大人が発症した、または大人に症状が出てきた
家庭でのケア
かゆみでかきむしると、水ぶくれが破れて細菌の感染を起こしたり、あとが残りやすくなったりすることがあるとされています。ご家庭では次のような点に気をつけてください。
おうちで気をつけたいこと
- 爪を短く切り、なめらかにやすりをかけておく
- 小さいお子さんは手袋やミトンでかきむしりを防ぐ
- 汗をかくとかゆみが強くなるため、室温を上げすぎない
- 肌ざわりのよい、ゆったりした服を選ぶ
- 入浴は状態に応じて。こすらず、ぬるめのお湯でやさしく洗う
- 水分をこまめにとらせる
- 発疹がすべてかさぶたになるまでは外出を控える
- 妊娠中の方や、まだかかっていない・ワクチンを受けていない方との接触を避ける
市販のかゆみ止めを使う前に、一度ご相談いただくことをおすすめします。とくに解熱に使う薬は種類によって注意が必要とされる場合がありますので、自己判断で使わず、受診時にお尋ねください。
大人がかかった場合とワクチンについて
水ぼうそうは子どもの病気という印象がありますが、大人がかかると子どもよりも重くなることがあるとされ、合併症の頻度も高くなると報告されています。ご家庭でお子さんが発症したあとに、かかったことのない大人の方が続けて発症するというケースもあります。かかったかどうかがはっきりしない、ワクチンを受けた記憶がない、という方はご相談ください。
予防には水痘ワクチンが用いられています。国内では定期接種として、1歳から2歳の間に2回接種することになっています。母子健康手帳で接種歴をご確認いただき、受けていない回数が残っている場合はお早めにご相談ください。当院でも水痘のワクチンを取り扱っています。対象年齢や公費の扱い、費用については年齢・接種歴によって異なりますので、お電話でお問い合わせください。なお、患者さんと接触したあとに緊急で接種する方法が有効とされる場合もありますので、接触の心当たりがあるときは早めにご連絡ください。
当院での対応
当院は感染症内科と小児科を標榜しており、発疹や発熱のご相談をお受けしています。発疹の見え方や広がり方、出はじめた時期、発熱の経過、周囲の流行状況、ワクチンの接種歴などをうかがい、診察でほかの発疹をきたす病気と区別できるかを確認していきます。かゆみや発熱への対応、皮膚の状態に応じたケアのご説明を行い、経過によっては再診をご案内します。重い合併症が疑われる場合や、入院での対応が望ましいと判断される場合は、地域の医療機関へのご紹介を行います。園や学校に提出する登園届などの書類にも対応しています。
受診は予約なしで診療時間内にお越しいただけます。当院は朝7時から診療しており、平日の朝や土曜日にも受診いただけます。ただし水ぼうそうは空気感染で広がりうるため、来院前に必ずお電話(086-525-0600)でご一報ください。待合室でほかの患者さんと接触しないよう、来院の時間帯や入っていただく場所をご案内します。診察は保険診療の対象となります(予防接種は保険外です)。受診の際は、保険証(マイナ保険証)、乳幼児医療証、母子健康手帳、お薬手帳、園や学校の書類をお持ちください。
受診時に伝えていただきたいこと
- 発疹に気づいたのはいつか、どこから出はじめたか
- いまどんな見え方か(赤い点・水ぶくれ・かさぶたのどれが多いか)
- 発熱の有無と、最も高かったときの体温
- かゆみの程度、眠れているか、かきこわしている部分があるか
- 食事・水分がとれているか、おしっこの回数
- 園や学校、家庭内での流行状況・接触した方の有無
- 水痘ワクチンの接種歴(母子健康手帳をご持参ください)
- ご家族に妊娠中の方、赤ちゃん、治療中の持病がある方がいるか
- すでに使っている市販薬・処方薬があればその内容
参考にした情報
かゆい発疹や水ぶくれ、登園の判断でお困りのときは、いなだ医院までご相談ください。ご来院前にお電話でご一報いただけると安心です。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
