赤ちゃんが鼻水と咳から始まってゼーゼーしています。RSウイルスでしょうか?

A. 回答

鼻水・咳・発熱といったかぜのような症状で始まり、数日たってからゼーゼーや呼吸の速さが出てくる経過は、RSウイルス感染症でよくみられるとされています。ただし同じような経過をとるウイルスはほかにもあり、症状だけで区別するのは難しいのが実際です。大切なのはウイルスの名前よりも呼吸のしかたと、母乳・ミルクが飲めているかです。特に生後6か月未満の赤ちゃん、早産で生まれたお子さん、心臓や肺に持病のあるお子さんでは重症化しやすいとされており、注意が必要です。呼吸が苦しそう、顔色が悪い、飲めない、ぐったりしているといった様子があるときは、夜間・休日であっても急いで受診・救急要請をご検討ください。迷うときは、こども医療でんわ相談(#8000)でも相談できます。

受診の目安(いちばん大切なところ)

赤ちゃんは「苦しい」と言葉で伝えられません。服をめくって胸とおなかの動きを見ていただき、次のような様子があるときは、夜間や休日であっても急いで受診・救急要請をご検討ください。

夜間・休日にお子さまのことで迷われるときは、こども医療でんわ相談「#8000」(岡山県)にご相談いただけます。日本小児科学会の「こどもの救急」も目安になります。

すぐに受診を検討してください(夜間・休日でも)

  • 呼吸が速い:眠っているときでも息づかいが明らかに速く、浅い
  • 小鼻がピクピクする:息を吸うたびに鼻の穴がふくらむ(鼻翼呼吸)
  • 肋骨の間や胸のくぼみがへこむ:息を吸うときに肋骨の間、みぞおち、のどの下がへこむ(陥没呼吸)
  • 顔色や唇の色が悪い:唇・爪・顔色が青白い、紫がかっている
  • 母乳やミルクが飲めない:途中で息継ぎのために中断してしまう、いつもの半分も飲めない、おしっこが減っている
  • 呼吸が一時的に止まる(無呼吸):特に生後まもない赤ちゃんや早産で生まれたお子さんでみられることがあるとされ、急を要します
  • ぐったりしている、呼びかけへの反応が鈍い、けいれんがある

早めの受診をおすすめします(診療時間内に)

  • ゼーゼー・ヒューヒューという音が続いている、だんだん強くなっている
  • 咳がひどくなってきた、咳込んで吐いてしまう、眠れない
  • 発熱が続いている、鼻づまりで寝つけない
  • 耳を痛がる、耳をしきりに触る(中耳炎を合併することがあるとされています)
  • ご家族や園でRSウイルス感染症の方がいて、赤ちゃんに咳や鼻水が出てきた
  • 生後6か月未満、早産で生まれた、心臓や肺の持病があるお子さんで、かぜ症状が出てきた

重症化しやすいとされるお子さん

RSウイルスは多くのお子さんが2歳ごろまでにかかるとされ、その大半は鼻水・咳程度で回復していきます。一方で、次のようなお子さんでは細気管支炎(細い気道の炎症)や肺炎に進み、重症化しやすいとされています。かぜ症状の段階から早めにご相談ください。

該当するお子さんでは、予防のための注射が対象になる場合があります。対象や時期は限られますので、かかりつけの小児科や出産された施設にご相談ください。

RSウイルス感染症の経過と、いつまで続くか

感染してから症状が出るまでの潜伏期はおおむね2〜8日、典型的には4〜6日とされています。まず鼻水・咳・発熱といった上気道の症状が数日続き、そのあとで咳が強くなったり、ゼーゼーや呼吸の速さといった下気道の症状が出てくることがあります。「かぜだと思っていたら3〜4日目から急に苦しそうになった」という経過が特徴的で、この時期がいちばん注意していただきたいタイミングです。全体の病気の期間はおおむね7〜12日程度とされていますが、咳だけがそのあとしばらく残ることもあります。日本では秋から冬にかけての流行が多く報告されていますが、近年は流行の時期が年によって前後することも知られています。

項目一般的なかぜRSウイルスによる細気管支炎
始まり方 鼻水・くしゃみ・軽い咳 同じく鼻水・咳で始まることが多い
数日後の変化 少しずつ軽くなっていくことが多い 咳が強まり、ゼーゼーや呼吸の速さが出ることがある
呼吸の様子 ふだんと大きく変わらない 陥没呼吸・鼻翼呼吸がみられることがある
飲み・食べ おおむね保たれる 息継ぎがつらく、飲めなくなることがある
年齢による差 年齢による差は小さい 月齢が低いほど症状が強く出やすいとされる

この表はあくまで考え方の目安で、実際には見た目だけで区別できないことも多くあります。判断に迷うときはご相談ください。

「呼吸が苦しい」を見分けるチェックリスト

受診の必要性を考えるときは、泣いていないタイミング(眠っているとき)に、上半身の服をめくって観察していただくとわかりやすくなります。

こんな様子はありませんか?

  • 息を吸うたびに、肋骨の間・みぞおち・のどの下がへこむ
  • 小鼻がピクピクとふくらむ
  • ふだんより呼吸が明らかに速い、浅い
  • 肩を大きく上下させて息をしている
  • 授乳が息継ぎで何度も途切れる、飲む量が半分以下になった
  • 唇や爪の色が悪い、顔色が青白い
  • おしっこ(おむつ)の回数が明らかに減った
  • 呼吸が数秒止まるように見えることがある

ひとつでも当てはまる場合は、様子を見ずに受診をご検討ください。特に最後の2つは急を要するサインとされています。

ご家庭でのケアと、家族にうつさない工夫

RSウイルス感染症に対しては、ウイルスそのものを退治する特効薬はなく、つらい症状をやわらげながら回復を待つ対症療法が中心とされています。ご家庭では次の点を意識していただくと過ごしやすくなります。

また、大人がRSウイルスに感染しても、鼻水やのどの違和感といった軽いかぜ症状にとどまることが多いとされています。そのため「ただの鼻かぜ」と思っていた保護者やごきょうだいから、赤ちゃんにうつってしまう経路になりうる点にご注意ください。ウイルスは咳やくしゃみのしぶきのほか、手やおもちゃ、テーブルなどを介した接触でも広がるとされています。

夜間・休日に迷ったときの相談先

「今すぐ受診すべきか、朝まで待てるか」で迷ったときは、次の窓口をご利用いただけます。

相談の際は、月齢、体温、呼吸の速さや様子、飲めている量、症状がいつから始まったかを手元にまとめておくと伝えやすくなります。

当院での対応と、受診の実務的なご案内

いなだ医院では、小児科・呼吸器内科・感染症内科・アレルギー科などを標榜しており、赤ちゃんの鼻水・咳・ゼーゼーについてもご相談いただけます。診察では聴診で呼吸の音を確認し、必要に応じて血液中の酸素の状態を測る検査(パルスオキシメーター)、鼻の奥の粘液を綿棒で採取する迅速検査、レントゲン検査などを行い、ご自宅で経過をみられる状態か、より詳しい検査や入院での管理が必要な状態かを判断していきます。入院などの対応が望ましいと考えられる場合は、連携先の医療機関へのご紹介を行います。当院には発熱外来もあります。

受診時に伝えていただきたいこと

本ページは一般的な情報提供を目的としています。症状の程度や経過には個人差があり、緊急性が高いと感じる場合は救急外来の受診もご検討ください。ご不明な点はお電話(086-525-0600)にてお問い合わせください。

赤ちゃんの鼻水・咳・ゼーゼーが気になるときは、お気軽にいなだ医院までご相談ください。朝7時から診療しています。

📞 086-525-0600
医療法人 いなだ医院 倉敷市玉島柏島で、内科・呼吸器内科・循環器内科・感染症内科・アレルギー科・消化器内科(胃腸科)・小児科・リハビリテーション科を診療しています。本記事は公的機関・学会の資料をもとに作成し、当院の医師が内容を確認しています(2026年8月確認)。

最終更新:2026年8月26日

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