胃がん検診はバリウムと胃カメラのどちらを受ければいいですか?
A. 回答国が推奨する胃がん検診(市区町村などが行う対策型検診)では、胃部X線検査(バリウム)と胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれかを、50歳以上・2年に1回受けることが基本とされています。ただし胃部X線検査については、当分の間、40歳以上・年1回の実施も可とされています。どちらか一方を選ぶ形が基本で、両方を毎年交互に受けることは、体への負担などの不利益が増えるため勧められていません。どちらにも長所と短所があり、その場で組織を採って調べられるのは胃カメラですが、受けやすさの感じ方には個人差があります。年齢や過去の検査歴、症状の有無をふまえて選んでいくのが現実的です。
この記事の制度に関する内容は2026年8月時点のものです。対策型検診の対象年齢・間隔や市の助成は変わることがあります。最新の内容は倉敷市または当院にご確認ください。
国が推奨する胃がん検診の対象年齢と間隔
市区町村が行う胃がん検診は、国の指針にもとづいて実施されています。示されている内容は次のとおりです。
- 検査方法:胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか。
- 対象年齢:50歳以上。ただし胃部X線検査については、当分の間、40歳以上に対して実施も可とされています。
- 受診間隔:2年に1回。ただし胃部X線検査については、当分の間、年1回の実施も可とされています。
- 両方を交互に受けることは勧められていません:毎年別々の検査を受けると、見つかる利益よりも体への負担などの不利益が上回ると考えられているためです。
なお、倉敷市の検診の申込方法・実施医療機関・自己負担額は年度によって変わります。最新の内容は倉敷市の窓口、または当院までお問い合わせください。
バリウムと胃カメラのちがい(比較表)
どちらも胃の中を調べる検査ですが、方法も、その後にできることも異なります。
| 項目 | 胃部X線検査(バリウム) | 胃内視鏡検査(胃カメラ) |
|---|---|---|
| 調べ方 | 発泡剤で胃をふくらませ、バリウムを飲んでX線で胃の形や粘膜の凹凸を撮影します | 口または鼻から細いカメラを入れ、胃の粘膜を直接見て観察します |
| 体への負担 | 台の上で体の向きを何度も変える必要があります。げっぷを我慢する必要があり、つらく感じる方もいます | のどや鼻を通るときの違和感を感じる方がいます。感じ方には個人差があります |
| 見つけやすさ | 胃の形の変化や大きな凹凸をとらえるのに向いています。ごく小さい変化や色の違いはわかりにくいことがあります | 粘膜の色や細かい凹凸まで直接見えるため、小さな変化にも気づきやすいとされています |
| その場で組織を採れるか | 採れません。疑わしい所見があれば、あらためて内視鏡検査が必要になります | 疑わしい部位があれば、その場で組織を採って調べること(生検)ができる場合があります |
| 検査前の準備 | 検査が終わるまで飲食ができません | 当日の朝食はとらずにお越しいただきます |
| 検査後の注意 | バリウムを出すために下剤を飲みます。便秘やまれに腸が詰まることがあるとされ、水分を多めにとる必要があります | のどの麻酔を使った場合は、しばらく飲食を控えていただきます |
| 放射線 | X線を使います | 使いません |
なお、検診で組織を採る検査(生検)を行った場合は保険診療となり、自己負担が生じます。
選ぶときの考え方
どちらが優れているかを一律に決めるものではなく、次のような点をふまえて選んでいくことになります。
こんな方は胃カメラを検討する価値があります
- 過去にバリウム検査で「要精密検査」と言われたことがある
- ピロリ菌の感染を指摘された、または除菌したことがある
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性胃炎を指摘されたことがある
- ご家族に胃がんの方がいる
- 喫煙習慣がある、または長く吸っていた
- げっぷを我慢するのがつらく、バリウム検査を途中でやめたことがある
一方で、これまでバリウム検査を問題なく受けてこられた方が、その方法を続けることも選択肢のひとつです。「胃カメラは怖い」という理由で検診そのものを受けないでいるより、受けやすい方法で定期的に受けることのほうが大切だと考えられています。
受診の目安
検診は症状のない方を対象にした仕組みです。すでに気になる症状がある場合は、検診の順番を待つのではなく、通常の診察としてご相談ください。
検診ではなく、すぐに受診を検討してください
- 黒くタール状の便が出た、吐いたものに血が混じった
- 思い当たる理由がないのに体重が減ってきた
- 食べ物がつかえる感じがする、飲み込みにくい
- 顔色が悪い、立ちくらみがする、健診で貧血を指摘された
- 強い腹痛が続いている
早めの受診をおすすめします
- みぞおちの痛みや不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振が続いている
- 対象年齢に達しているが、これまで胃がん検診を受けたことがない
- 検診で「要精密検査」と言われたまま受けていない
- ピロリ菌の検査を受けたことがない
胃がんは早い段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状が出ない場合があるとされています。症状がないうちに定期的に受けることに意味があると考えられています。
当院での対応
いなだ医院は消化器内科(胃腸科)を標榜しており、新世代の内視鏡システムを備えています。口から入れる方法だけでなく、鼻から入れる経鼻内視鏡にも対応しており、「口からはつらかった」という方にもご相談いただけます。まずは診察でこれまでの検査歴や症状をうかがい、どちらの方法が向いているか、あるいは今回は検査を急ぐ状況かを一緒に整理します。検査そのものは予約制ですが、ご相談の診察は当日でも受けていただけます。観察にかかる時間は10分前後が目安で、受付から会計までを含めるとお時間に余裕をもってお越しください。症状があって行う検査は保険診療の対象となります。検診として受ける場合の費用や対象条件は制度によって異なりますので、詳しくはお問い合わせください。朝7時から診療しており、無料駐車場を22台ご用意しています。
受診時に伝えていただきたいこと
- これまでに受けた胃の検査(バリウム・胃カメラ)の時期と結果
- ピロリ菌の検査歴・除菌歴
- いつから、どんな症状があるか
- 現在飲んでいるお薬(血液をさらさらにするお薬を含む)やお薬手帳
- 健診の結果票、市から届いた検診の案内
- ご家族の胃の病気の既往
「どちらを受ければいいか決められない」「案内は届いたけれど迷っている」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
