のどの痛みがとても強く、高熱も出ています。ただの風邪と何が違いますか?
A. 回答のどの痛みの多くはウイルスによるもので、咳や鼻水をともないながら数日かけて自然に軽くなっていくとされています。一方で、咳や鼻水があまり目立たないのに高熱と強いのどの痛みが前面に出るときは、溶連菌(ようれんきん)をはじめとする細菌による咽頭炎(いんとうえん・のどの奥の炎症)が背景にある場合もあります。両者は見た目や症状だけでは区別が難しいことがあり、のどを綿棒でこすって短時間で調べる迅速検査が診断の助けになります。とくに、唾が飲み込めない・息が苦しい・口が開けにくいといった症状がある場合は急を要する状態の可能性があり、すぐに医療機関へご相談ください。
のどの痛みを起こす一般的な原因
のどの痛みにはさまざまな原因があり、次のようなものが知られています。
- ウイルス性の咽頭炎(いわゆる風邪):のどの痛みの原因として最も多いとされ、鼻水・咳・声がれなどをともないやすく、数日で軽くなっていく経過をとることが一般的です。
- 溶連菌による咽頭炎・扁桃炎:A群溶血性レンサ球菌による感染で、咳や鼻水が目立たない一方、高熱と強いのどの痛みが出やすいとされています。お子さんでは舌が赤くぶつぶつして見える状態(いちご舌)や体の発疹をともなうこともあります。
- そのほかの細菌によるのどの炎症:扁桃に白い膿のようなものが付着したり、首のリンパ節が腫れて痛んだりすることがあります。
- インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症:のどの痛みに加えて、発熱・全身のだるさ・筋肉痛などが強く出る場合があります。
- のどの乾燥や刺激:空気の乾燥、大きな声を出したあと、喫煙などが痛みの誘因になることもあります。
ウイルス性の風邪と溶連菌はどう違うのですか
一般的な傾向として、ウイルス性の風邪では鼻水・咳・くしゃみといった症状が一緒に出やすく、熱もそれほど高くならずに経過することが多いとされています。これに対して溶連菌による咽頭炎では、咳や鼻水が乏しいまま、突然の高熱・つばを飲み込むときの強い痛み・首のリンパ節の腫れといった症状が中心になりやすいと説明されています。
ただし、これはあくまで傾向であり、症状だけで確実に見分けることはできません。そのため医療機関では、のどを綿棒でこすって検体を採り、その場で短時間のうちに結果がわかる迅速検査を行うことがあります。検査の結果によって、抗菌薬を使うほうがよいのか、それとも安静と水分・症状をやわらげる対応で経過をみるのかを判断していきます。
溶連菌のときに薬を最後まで飲み切ることが大切とされる理由
溶連菌による咽頭炎と診断された場合、抗菌薬が処方されることがあります。抗菌薬を飲み始めると、多くの場合は熱やのどの痛みが早く軽くなっていきますが、症状が落ち着いたからといって途中でやめてしまうことはすすめられていません。
これは、体の中から菌を十分に減らしきらないと、感染から数週間ほど経ってから起こる合併症(リウマチ熱や急性糸球体腎炎など、心臓や腎臓に関わる病気)のリスクが残るとされているためです。処方された日数をきちんと飲み切ることが、こうした合併症の予防につながると考えられています。飲み忘れが続いてしまったときや、飲み薬で気になる症状が出たときは、自己判断で中止せずご相談ください。
受診の目安
のどの痛みは自然によくなることも多い症状ですが、次のようなサインがあるときは注意が必要とされています。
判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。
すぐに受診を検討してください
- 息が苦しい、息を吸うときにゼーゼー・ヒューヒューという音がする、横になると呼吸がつらい ── 気道が狭くなっている可能性があり、ためらわず救急要請(119番)をご検討ください
- 唾も飲み込めない、水分がまったく取れない、よだれが垂れてしまう
- 口が大きく開けられない(開口障害)、片側だけのどが強く痛む
- 声がこもる、首が腫れて痛む、首を動かすと痛い
- ぐったりして意識がはっきりしない、尿がほとんど出ない
これらは扁桃の周囲に膿がたまった状態や、のどの奥(喉頭蓋)が腫れて気道が狭くなる状態など、急を要する病気の可能性が指摘されています。ためらわずにすぐ医療機関へご連絡いただくか、夜間・休日であれば救急外来の受診もご検討ください。
早めの受診をおすすめします
- 38度以上の熱と強いのどの痛みが続き、咳や鼻水はあまりない
- のどの痛みが3日以上よくならない、いったん下がった熱が再び上がってきた
- 扁桃に白いものが付いている、首のリンパ節が腫れて押すと痛い
- ご家族や職場・学校で溶連菌感染症と診断された方がいる
- 発疹が出てきた、舌が赤くぶつぶつして見える
- 体がだるくて食事や水分が思うように取れない
- 持病がある方、妊娠中の方、ご高齢の方、小さなお子さん
当院での対応
いなだ医院では内科・感染症内科・小児科として、のどの痛みや発熱の診療を行っています。診察でのどの状態や首のリンパ節を確認したうえで、必要と判断した場合には溶連菌の迅速検査や、インフルエンザ・新型コロナウイルスの検査、血液検査などを組み合わせて原因を調べていきます。結果をふまえて、抗菌薬による治療が必要な状態か、水分・安静と症状をやわらげる対応で経過をみる状態かをご説明します。
発熱をともなう症状の方については発熱外来を設けており、ほかの患者さんと動線を分けて診療しています。来院前にお電話(086-525-0600)でご相談いただけますと、受診の時間帯や入口のご案内ができ、待ち時間も少なくお通しできます。朝7時から診療していますので、お仕事や学校の前の受診もご利用ください。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから、のどの痛みや熱が出ているか
- 唾や水分は飲み込めるか、食事はとれているか
- 咳・鼻水・発疹・腹痛など、ほかに気になる症状はあるか
- ご家族や職場・学校に、同じような症状の方や溶連菌と診断された方がいるか
- 持病や普段お飲みの薬、これまでに薬で体に合わなかった経験があるか
参考にした情報
のどの痛みが強い、高熱が続くなど気になる症状があるときは、受診前にお電話でご相談ください。発熱外来でお待ちしています。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
