高齢の親に肺炎球菌ワクチンを勧められました。受けたほうがいいのでしょうか?
A. 回答肺炎球菌は、高齢の方の肺炎を起こす代表的な細菌の一つとされています。肺炎球菌ワクチンは、この菌による肺炎などの感染症にかかったときに重症化を防ぐことが期待されるとされており、国の制度として65歳の方などを対象とした定期接種が行われています。ただし、対象となる年齢・助成の内容・実施時期は年度と自治体によって変わります。ご本人が対象かどうか、費用がどうなるかについては、最新の対象や助成については倉敷市または当院にお問い合わせください。持病がある方は、接種の時期を主治医と相談していただくのが安心です。
この記事の制度に関する内容は令和8年度(2026年度)時点のものです。定期接種の対象年齢・助成は年度ごとに見直されます。最新の内容は倉敷市または当院にご確認ください。
高齢の方で肺炎に注意がすすめられる理由
年齢を重ねると、次のような背景から肺炎が重くなりやすいとされています。
- 免疫のはたらきの低下:年齢とともに感染を抑える力が下がり、菌が肺の中で広がりやすくなる場合があります。
- 飲み込む力(嚥下機能)の低下:唾液や食べ物が気管に入り込みやすくなり、誤嚥性肺炎の背景になることがあります。
- 持病の影響:慢性閉塞性肺疾患(COPD)・喘息・心不全・糖尿病・腎臓の病気などがあると、重症化しやすいとされています。
- 症状が出にくいこと:高齢の方では高熱や咳がはっきりせず、食欲低下や元気のなさだけが目立つ場合があります。
厚生労働省の人口動態統計では、肺炎と誤嚥性肺炎は日本人の死因の上位に挙げられており、その多くを高齢の方が占めるとされています。
定期接種の対象と、任意で受ける場合の違い
高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種には、公費助成のある「定期接種」と、それ以外の「任意接種」があります。おおまかな考え方は次のとおりです。
| 項目 | 定期接種 | 任意接種 |
|---|---|---|
| 対象とされる方 | その年度に65歳になる方、および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能やHIVによる免疫の機能に一定の障害がある方(過去に高齢者用肺炎球菌ワクチンを受けたことがない方) | 定期接種の対象に当てはまらない方、すでに接種歴がある方など |
| 費用 | 自治体の助成があり、自己負担額が定められています(非課税世帯などの減免制度が設けられている場合があります) | 助成の対象外となり、全額自己負担となるのが一般的です |
| 案内 | 対象となる方へ自治体から通知や予診票が送られる運用が一般的です | 通知はなく、ご自身で医療機関にご相談いただきます |
なお、定期接種で使われるワクチンの種類は制度の見直しにより変更されることがあります。対象年齢・助成の内容・実施期間・使用するワクチンは年度と自治体によって変わりますので、最新の対象や助成については倉敷市または当院にお問い合わせください。お手元に予診票がある場合は、記載された有効期限もあわせてご確認ください。
インフルエンザワクチンとの関係
冬場はインフルエンザワクチンの接種を検討される方が多く、「一緒に受けてよいのか」というご質問をよくいただきます。一般的には、医師が必要と認めた場合には両方のワクチンを同じ日に接種できるとされていますが、どちらを先にするか、間隔をどうするかは体調や接種歴によって異なります。効果や進め方について断定的にお伝えすることはできませんので、ご希望や接種歴をうかがったうえで、その方に合わせたご提案をいたします。
受診の目安
ワクチンを受けていても肺炎にかからないわけではありません。次のような様子がみられるときは、早めにご相談ください。
すぐに受診を検討してください
- 呼吸が浅く速い、肩で息をしている、息苦しそうにしている
- 唇や指先の色が悪い、ぐったりして反応がにぶい
- 意識がもうろうとしている、急に受け答えがかみ合わなくなった
- 水分もとれず、尿の量が明らかに減っている
早めの受診をおすすめします
- 発熱や咳、色のついた痰が数日続いている
- 熱は高くないが、食欲がない・元気がない状態が続く
- 食事中にむせることが増えてきた
- 持病(COPD・喘息・心不全・糖尿病など)があり、いつもと様子が違う
接種前に確認しておきたいこと
ご相談の前にチェック
- 過去に高齢者用の肺炎球菌ワクチンを受けたことがあるか(時期もわかると助かります)
- 自治体から予診票や案内が届いているか
- 現在飲んでいるお薬(お薬手帳をご持参ください)
- これまでにワクチンや薬で強いアレルギー反応が出たことがあるか
- 当日発熱していないか、体調に変わりがないか
当院での対応
当院は内科・呼吸器内科・感染症内科を標榜しており、予防接種のご相談から、肺炎が疑われる際の診察までを行っています。接種をご希望の場合は、ワクチンの在庫を確認する必要があるため、事前にお電話(086-525-0600)でご相談ください。当日の体調確認と問診のうえで接種となり、接種後は院内で15分〜30分程度お待ちいただき、体調の変化がないか確認します。受付から終了までの目安は、混雑状況にもよりますがおおむね30分〜1時間程度とお考えください。
費用については、定期接種の対象となる方は倉敷市の助成が適用され、自己負担額が定められています。対象外の方は全額自己負担となります。金額は年度によって変わりますので、詳しくはお問い合わせください。当日は健康保険証・マイナンバーカード、届いている場合は予診票と本人確認書類、お薬手帳をお持ちください。肩を出しやすい服装だとスムーズです。
診療時間は月〜土曜の7:00〜12:00、月〜金曜の14:30〜18:30(土曜は14:30〜17:30)です。朝7時から開いていますので、お仕事やご家族の送迎の前後にも受けていただけます。駐車場は無料で22台ご用意しています。ご高齢のご家族に付き添って来られる場合も、遠慮なくご相談ください。
受診時に伝えていただきたいこと
- これまでの予防接種歴(肺炎球菌・インフルエンザなど)と、その時期
- 持病の有無と、通院中の医療機関
- 現在服用中のお薬(特に免疫に影響するお薬や血をサラサラにするお薬)
- 過去のワクチン接種後に体調を崩したことがあるか
参考にした情報
ご家族が対象になるかどうか、接種の時期についてもご相談いただけます。まずはお電話ください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
