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長年たばこを吸っています。肺の検査は受けたほうがいいですか?

A. 回答

喫煙期間が長い方では、肺や気管支の状態が少しずつ変化していることがあるとされています。代表的なものがCOPD(慢性閉塞性肺疾患/肺の生活習慣病とも呼ばれます)で、咳や痰、坂道・階段での息切れといった形であらわれることが多いといわれています。ただ、こうした変化はゆっくり進むため、「年のせい」「たばこを吸っているから当たり前」と感じているうちは気づかれにくいのが特徴です。呼吸機能検査(スパイロメトリー)や胸部レントゲンは短時間で受けられる検査ですので、気になったタイミングで一度調べておくと、今の状態がはっきりして安心につながります。今すぐ禁煙するかどうかは別として、まずは「調べてみる」だけでも意味のあることだと考えられています。

灰皿の吸い殻を片づけている手元

喫煙歴の長い方にみられやすい肺の変化

たばこの煙を長期間吸い込むことで、気管支や肺胞(酸素を取り込む小さな袋)に慢性的な炎症が起こると考えられています。その結果、次のような症状が少しずつあらわれてくることがあるとされています。

喫煙歴の数え方(喫煙指数)と、肺の検査の目安

たばこの影響は、吸ってきた年数だけでなく本数とあわせて考えます。よく使われるのが喫煙指数です。

喫煙指数 = 1日の平均喫煙本数 × 喫煙年数
例:1日20本を10年 → 200 / 1日20本を30年 → 600 / 1日10本を20年 → 200

日本呼吸器学会によると、COPDの最大の原因は喫煙で、喫煙者のおよそ15〜20%が発症するとされています。また、日本では40歳以上の約12人に1人がCOPDと考えられています。

「喫煙歴が10年ならまだ大丈夫」「20年を超えたら危ない」という決まった区切りはありません。咳・痰・坂道や階段での息切れがあれば、年数にかかわらず受診をおすすめします。症状がなくても喫煙歴が長い方は、呼吸機能検査で一度今の状態を確かめておくと安心です。

肺がん検診については、40歳以上の方に年1回の胸部エックス線検査が勧められています。さらに国立がん研究センターの「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン2025年度版」では、喫煙指数600以上(禁煙して15年以内の方を含む)の50〜74歳の方に、年1回の低線量CT検査が推奨されました。市町村の検診に取り入れるための検討は、厚生労働省で進められている段階です(2025年10月時点)。禁煙外来の保険診療の条件は禁煙外来の記事にまとめています。

受診の目安

症状の感じ方には個人差があります。次のような場合は、一度呼吸器内科でご相談いただくことをおすすめします。

判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。

すぐに受診を検討してください

  • 安静にしていても息苦しい、唇や指先が紫っぽい、意識がぼんやりする:呼吸の状態が急に悪くなっているおそれがあるとされ、この場合はためらわず救急要請(119番)をご検討ください
  • 急に息切れが強くなった、いつもの動作ができないほど苦しい
  • 呼吸が浅く速い感じが続く
  • 血の混じった痰が出た
  • 胸の痛みや強い動悸を伴う
  • 発熱とともに、咳・痰・息苦しさが2日以上いつもより悪化している(増悪)

早めの受診をおすすめします

  • 咳や痰が3週間以上続いている
  • 同年代の人と歩くと自分だけ遅れる、坂道で立ち止まるようになった
  • かぜをひくと治りにくく、咳や痰だけが長く残る
  • 健診で「肺の影」「肺機能の低下」などを指摘された
  • 喫煙歴が長く(おおよそ20年以上など)、これまで肺の検査を受けたことがない
  • 体重が思い当たる理由なく減ってきた
  • 禁煙を考えているが、今の肺の状態を知ったうえで判断したい

当院での対応・検査

当院は内科・呼吸器内科を標榜しており、症状のご相談から検査までを一連で行っています。診察では、いつからどんなときに症状が出るか、喫煙の期間や本数などをうかがったうえで、聴診と必要な検査を組み合わせて評価します。

検査の結果、経過をみていけばよい状態とわかることも少なくありません。「大丈夫だった」とはっきりすること自体が、この検査を受ける価値のひとつだと考えています。もし治療が必要な状態だった場合も、禁煙のサポート、呼吸リハビリテーション、薬による治療などを組み合わせながら、日常生活が過ごしやすくなるようご相談を重ねていきます。当院はリハビリテーション科も標榜しています。

受診時に伝えていただきたいこと

お薬手帳をお持ちの方は、あわせてご持参ください。

本ページは一般的な情報提供を目的としています。症状の程度や経過には個人差があり、緊急性が高いと感じる場合は救急外来の受診もご検討ください。ご不明な点はお電話(086-525-0600)にてお問い合わせください。

「気になってはいたけれど、そのままにしていた」という段階でのご相談も歓迎です。肺の検査についてお気軽にいなだ医院までお問い合わせください。

医療法人 いなだ医院 倉敷市玉島柏島で、内科・小児科・消化器内科・呼吸器内科・循環器内科・感染症内科・アレルギー科・リハビリテーション科を診療しています。本記事は公的機関・学会の資料をもとに作成し、当院の医師が内容を確認しています(2026年8月確認)。

最終更新:2026年9月17日

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