長年たばこを吸っています。肺の検査は受けたほうがいいですか?
A. 回答喫煙期間が長い方では、肺や気管支の状態が少しずつ変化していることがあるとされています。代表的なものがCOPD(慢性閉塞性肺疾患/肺の生活習慣病とも呼ばれます)で、咳や痰、坂道・階段での息切れといった形であらわれることが多いといわれています。ただ、こうした変化はゆっくり進むため、「年のせい」「たばこを吸っているから当たり前」と感じているうちは気づかれにくいのが特徴です。呼吸機能検査(スパイロメトリー)や胸部レントゲンは短時間で受けられる検査ですので、気になったタイミングで一度調べておくと、今の状態がはっきりして安心につながります。今すぐ禁煙するかどうかは別として、まずは「調べてみる」だけでも意味のあることだと考えられています。
喫煙歴の長い方にみられやすい肺の変化
たばこの煙を長期間吸い込むことで、気管支や肺胞(酸素を取り込む小さな袋)に慢性的な炎症が起こると考えられています。その結果、次のような症状が少しずつあらわれてくることがあるとされています。
- 朝の咳・痰が続く:気管支の炎症により分泌物が増え、起床時を中心に咳や痰がからむ状態が長く続くことがあるとされています。「喫煙者の咳」として見過ごされやすい症状です。
- 坂道や階段での息切れ(労作時呼吸困難):安静時には気づかず、体を動かしたときだけ苦しくなるのが特徴的とされています。COPDで最も代表的な症状のひとつです。
- かぜをひくと長引く・こじれやすい:気道の防御機能が落ちることで、かぜのあとの咳や痰が長く残りやすくなる場合があります。
- ゼーゼー・ヒューヒューする(喘鳴):気道が細くなることで、息を吐くときに音が出ることがあるとされています。喘息との区別が必要になる場合もあります。
- 肺気腫の進行:肺胞が壊れて空気の出し入れがしにくくなった状態で、一度失われた肺胞は元に戻らないとされています。だからこそ、早めに気づくことに意味があると考えられています。
受診の目安
症状の感じ方には個人差があります。次のような場合は、一度呼吸器内科でご相談いただくことをおすすめします。
判断に迷われるときは、救急安心センター事業「#7119」(岡山県内で利用できます)にご相談いただけます。総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ(Q助)」も目安になります。
すぐに受診を検討してください
- 安静にしていても息苦しい、唇や指先が紫っぽい、意識がぼんやりする:呼吸の状態が急に悪くなっているおそれがあるとされ、この場合はためらわず救急要請(119番)をご検討ください
- 急に息切れが強くなった、いつもの動作ができないほど苦しい
- 呼吸が浅く速い感じが続く
- 血の混じった痰が出た
- 胸の痛みや強い動悸を伴う
- 発熱とともに、咳・痰・息苦しさが2日以上いつもより悪化している(増悪)
早めの受診をおすすめします
- 咳や痰が3週間以上続いている
- 同年代の人と歩くと自分だけ遅れる、坂道で立ち止まるようになった
- かぜをひくと治りにくく、咳や痰だけが長く残る
- 健診で「肺の影」「肺機能の低下」などを指摘された
- 喫煙歴が長く(おおよそ20年以上など)、これまで肺の検査を受けたことがない
- 体重が思い当たる理由なく減ってきた
- 禁煙を考えているが、今の肺の状態を知ったうえで判断したい
当院での対応・検査
当院は内科・呼吸器内科を標榜しており、症状のご相談から検査までを一連で行っています。診察では、いつからどんなときに症状が出るか、喫煙の期間や本数などをうかがったうえで、聴診と必要な検査を組み合わせて評価します。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー):思いきり息を吸ってから一気に吐き出す検査です。息を吐く力の指標である1秒率などから、気道の通りやすさを客観的に評価します。同性・同年代と比べた「肺年齢」がわかるため、ご自身の状態をイメージしやすい検査とされています。
- 胸部レントゲン検査:肺の形や広がり、ほかの病気が隠れていないかを確認します。
- 問診・聴診による評価:喘息やアレルギー、心臓が原因の息切れなど、別の要因が関わっていないかも合わせて確認します。当院はアレルギー科・循環器内科も標榜しており、必要に応じて幅広く相談いただけます。
検査の結果、経過をみていけばよい状態とわかることも少なくありません。「大丈夫だった」とはっきりすること自体が、この検査を受ける価値のひとつだと考えています。もし治療が必要な状態だった場合も、禁煙のサポート、呼吸リハビリテーション、薬による治療などを組み合わせながら、日常生活が過ごしやすくなるようご相談を重ねていきます。当院はリハビリテーション科も標榜しています。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつごろから咳・痰・息切れを感じているか、どのくらい続いているか
- どんなときに息切れするか(階段、坂道、平地を歩くとき、荷物を持ったときなど)
- 喫煙の期間と1日の本数(おおよそで構いません。加熱式たばこの場合はその旨も)
- すでに禁煙している場合は、いつごろやめたか
- ほかに気になる症状(発熱、体重の変化、動悸、むくみなど)
- ぜんそくやアレルギー、心臓の病気を指摘されたことがあるか
お薬手帳をお持ちの方は、あわせてご持参ください。
参考にした情報
「気になってはいたけれど、そのままにしていた」という段階でのご相談も歓迎です。肺の検査についてお気軽にいなだ医院までお問い合わせください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
