小学生になってもおねしょが続いています。相談してもいいのでしょうか?
A. 回答もちろん、ご相談いただいて大丈夫です。一般に「5歳以上で、月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合」は夜尿症とされ、医療機関で相談できる状態とされています。まずお伝えしたいのは、おねしょは体の成長の途中で起こることであり、ご家庭のしつけや育て方、お子さんの性格や心がけの問題ではないとされている、ということです。夜尿症は7歳ごろのお子さんの1割ほどにみられるとされ、年齢とともに自然に減っていくとされていますが、生活の工夫や相談を早めに始めることで、改善までの期間が短くなることが期待できるとされています。基本の考え方は「怒らない・起こさない・焦らない」の3つです。
おねしょはお子さんのせいでも、ご家庭のせいでもありません
おねしょが続くと、「うちのしつけが悪いのだろうか」「甘やかしているのだろうか」と、保護者の方が自分を責めてしまうことがあります。また、お子さん自身も「自分だけができない」と感じて、お泊まり会や宿泊行事をためらうことがあります。けれども、夜尿症の背景には体質的・遺伝的な要素が大きいとされており、育て方や性格、生活態度が原因ではないとされています。眠っている間の出来事は、本人の意思ではどうにもできません。まずはこの点を、ご家族みんなで共有していただければと思います。
そのうえで大切にしたいのが、次の3つの姿勢とされています。
- 怒らない:叱っても改善にはつながらないとされ、お子さんの自信を損なうことがあります。失敗しなかった朝を一緒に喜ぶほうが、前向きに取り組みやすいとされています。
- 起こさない:夜中に無理に起こしてトイレに行かせることはすすめられていません。ぐっすり眠ることは成長のために必要とされ、夜間の尿量をおさえるはたらきのあるホルモンも、深く眠っているときに多く出るとされています。
- 焦らない:他のお子さんやきょうだいと比べないことが大切とされています。年齢とともに自然に減っていくことが多いとされ、長い目で見守る姿勢が支えになります。
夜尿症とされるのはどんなとき
おむつが外れる時期には大きな個人差があります。診療の場では、次のような目安が用いられています。
| 項目 | 一般的な目安とされていること |
|---|---|
| 年齢 | 5歳以上 |
| 頻度 | 月に1回以上、眠っている間におしっこが出てしまう |
| 続いている期間 | 3か月以上 |
| どのくらいの子にみられるか | 7歳ごろで約10%とされ、その後は年ごとに減っていくとされています |
これらに当てはまるからといって、必ず治療が必要というわけではありません。ただし、小学校に入っても続いている場合や、宿泊行事などで本人が困っている場合は、早めにご相談いただくことで選べる対応が広がるとされています。
おねしょが続く背景にあるとされること
夜尿症には、いくつかの要素が組み合わさっているとされています。
- 夜間につくられる尿の量が多い:眠っている間に尿量をおさえるホルモンのはたらきが十分でないと、夜のおしっこの量が多くなるとされています。
- 膀胱にためられる量がまだ少ない:膀胱の発達には個人差があり、一晩分の尿をためきれないことがあるとされています。
- 尿意で目が覚めにくい:膀胱がいっぱいになっても目が覚めない、いわゆる眠りの深さに関する要素があるとされています。
- 体質・家族歴:ご両親のどちらかに子どものころおねしょが続いた経験がある場合、お子さんにもみられやすいとされています。
- 便秘:便がたまっていると膀胱が圧迫され、夜尿に影響することがあるとされています。便秘の改善が役立つ場合があります。
- 冷え:気温が下がる冬に悪化しやすいとされ、就寝前の入浴や寝室の保温が工夫のひとつとされています。
まず試したい生活の工夫(チェックリスト)
治療の前に、まず生活の見直しから始めることが多いとされています。できそうなものから、無理のない範囲で試してみてください。うまくいかない日があっても、それは失敗ではありません。
おうちでできる工夫
- 朝食・昼食でしっかり水分をとり、夕方以降の水分を控えめにしている
- 夕食は就寝の2〜3時間前までに終えている
- 夕食の塩分を控えめにしている(味の濃いおかず、汁物、加工食品を控える)
- 夕食後に、水分の多い果物・ゼリー・アイス・スープなどをとりすぎていない
- 寝る直前に必ずトイレに行く習慣がついている
- 毎日ほぼ同じ時間に寝起きし、睡眠時間を確保できている
- お風呂で体を温め、寝室が冷えすぎないようにしている
- 便秘がない(毎日または2日に1回はすっきり出ている)
- 夜中に無理に起こしていない
- 失敗した朝に叱らず、できた朝を一緒に喜んでいる
- カレンダーなどに記録をつけている(できた日にシールを貼るなど)
記録をつけておくと、変化が目に見えて励みになりますし、受診されたときにも大切な情報になります。
受診の目安
夜尿症の多くは体の発達の過程で起こることとされていますが、なかには他の病気が背景にあることもあるとされています。次のような場合は、一度ご相談ください。
他の病気の可能性もあるため、受診をおすすめします
- 昼間もおもらしがある、または急に強い尿意が起こって間に合わないことがある
- いったんおねしょがなくなっていたのに、また出るようになった(半年〜1年以上なかった場合)
- やたらと水を飲みたがり、おしっこの量や回数がとても多い(多飲多尿)
- おしっこのときに痛がる、においが強い、色がおかしい、発熱をくり返す
- 体重が減ってきた、急にやせてきた、元気がない
- いびきがひどい、寝ている間に呼吸が止まっているように見える
- 足に力が入りにくい、歩き方が変わった、背中の下のほうにくぼみやあざがある
- 便が何日も出ない状態が続いている
早めの受診をおすすめします
- 小学校に入ってもおねしょがほぼ毎晩続いている
- 生活の工夫を数か月続けても変化が見られない
- 宿泊行事や合宿、お泊まりの予定が控えていて心配
- お子さんが気にして落ち込んでいる、自信をなくしている様子がある
- 保護者の方の負担が大きく、対応に迷っている
いなだ医院での対応
当院は小児科・内科を標榜しており、おねしょのご相談も承っています。診察では、おねしょの頻度や量、昼間の排尿の様子、水分のとり方、便通、睡眠の状況、ご家族の経験などをうかがいます。必要に応じて尿検査などを行い、背景に他の病気が隠れていないかを確認したうえで、生活面の工夫を一緒に考えていきます。生活の工夫で十分な変化が見られない場合には、お子さんの状況に応じた治療の選択肢についてご説明し、必要と判断される場合には専門の医療機関へご紹介します。
- 予約・受診:診療時間内であれば予約なしで当日受診いただけます。月〜土は朝7時から診療していますので、登校前の時間帯にもご相談いただけます。
- プライバシーへの配慮:お子さんが話しにくい内容ですので、傷つけないよう言葉を選んでお話しします。保護者の方だけでまずご相談いただくことも可能です。
- 診察にかかる時間:問診が中心となるため、混雑状況にもよりますが、受付からお会計まで30分〜1時間程度が目安です。尿検査を行う場合は少しお時間をいただきます。
- 費用:保険診療の対象となります。お子さまの場合は各自治体の医療費助成の対象となることがあります。詳しくはお問い合わせください。
- 持ちもの:健康保険証(マイナ保険証)、乳幼児医療費受給資格証などの医療証、母子健康手帳、お薬手帳をお持ちください。おねしょのあった日を記録したカレンダーやメモがあると、経過を把握しやすくなります。
- 駐車場:無料22台分をご用意しています。ニシナ玉島柏島店の西隣りです。
受診時に伝えていただきたいこと
- 1か月のうち何日くらいおねしょがあるか、毎晩か、時々か
- 一晩に1回か、複数回か。量は多いか少ないか
- いつからか。一度なくなった時期があったか
- 昼間のおもらしや、急に強い尿意が起こることがあるか
- 1日の水分のとり方(いつ、どのくらい飲んでいるか)
- 便通の様子(何日おきか、硬さはどうか)
- 寝つきや眠りの深さ、いびきの有無
- ご家族に同じような経験があるか
- お子さん本人がどのくらい気にしているか、行事の予定があるか
おねしょのご相談は、恥ずかしいことでも、遅すぎることでもありません。気になったときにお声がけください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
