大きな病院を受診したいのですが、紹介状は必要ですか?
A. 回答紹介状がなくても、大きな病院を受診すること自体はできます。ただし、一定規模以上の病院を紹介状なしで受診した場合には、通常の自己負担(3割負担など)とは別に「特別の料金(選定療養費)」が原則かかる仕組みがあるとされています。金額は制度の見直しや病院ごとの定めによって変わりますので、受診を考えている病院にご確認ください。また、紹介状(正式には「診療情報提供書」といいます)があると、これまでの経過や検査結果、服用中のお薬が病院の医師に正確に伝わり、同じ検査を繰り返さずに済むことが期待できるとされています。当院はかかりつけ医として、必要に応じ、専門の医師や医療機関にご紹介しますので、まずはお気軽にご相談ください。
この記事の制度に関する内容は2026年8月時点のものです。選定療養費の対象病院や金額の枠組みは改定されることがあります。
紹介状(診療情報提供書)とは
紹介状は、診察した医師が、次に診てもらう医療機関の医師にあてて書く正式な医療文書です。ただの「お手紙」ではなく、診療の引き継ぎのための書類とされています。おもに次のような内容が書かれます。
- これまでの経過:いつからどんな症状があり、どのような経過をたどってきたか。診察でどのような所見があったか。
- 検査の結果:血液検査、レントゲン、内視鏡、心電図などの結果。あわせて画像データをお渡しできる場合もあります。
- 服用中のお薬:現在使っているお薬の内容や、これまでに合わなかったお薬、アレルギーの有無。
- 持病やこれまでの病歴:ほかに治療中の病気、手術を受けた経験など。
- 紹介の目的:どのような検査や治療をお願いしたいのか、何を相談したいのか。
これらが最初から伝わっていることで、同じ検査を一からやり直す必要が減り、必要な診療に早くつながりやすくなるとされています。受け取った病院からは、診察後に返事(返信)が届き、その後の方針が当院にも共有されます。なお、紹介状は封をした状態でお渡ししますので、開封せずにそのまま病院の受付にお出しください。
紹介状がない場合の「特別の料金」の仕組み
国は、身近な診療所と大きな病院で役割を分け合う「機能分担」を進めています。大きな病院は、手術や入院、高度な検査・治療を必要とする方の診療に力を注げるようにし、日常的な体調不良や慢性の病気の管理は地域の診療所が担う、という考え方です。
この考え方にもとづき、紹介状を持たずに一定規模以上の病院を初診で受診した場合には、健康保険の自己負担とは別に「特別の料金(選定療養費)」を病院が徴収する仕組みが設けられているとされています。厚生労働省は、外来の紹介受診を重点的に受け入れる医療機関(紹介受診重点医療機関)について、「紹介状のありなしにかかわらず受診は可能だが、紹介状がなく来院された場合は一部負担金とは別の特別の料金が原則必要となる」としています。
- 金額は一律ではありません:制度の見直しや病院ごとの定めによって変わります。受診を考えている病院のホームページや窓口でご確認ください。
- この料金は健康保険の対象外です:初診料などの保険診療分とは別に、自己負担となる費用とされています。
- かからない場合もあります:救急車で搬送された場合や、緊急でやむを得ない事情がある場合、他の医療機関からの紹介状を持参した場合などは、対象とならないとされています。取り扱いは病院によって異なりますので、事前にご確認ください。
- 再診でも対象になることがあります:病院から「かかりつけ医への紹介」をすすめられたあとも、引き続き同じ病院を受診する場合に、別の料金がかかることがあるとされています。
緊急性が高いと感じる症状の場合は、料金のことよりも受診を優先してください。夜間・休日で判断に迷うときは、救急外来の受診もご検討ください。
紹介状があるとき・ないときの違い
受診そのものは紹介状がなくてもできますが、実際の受診のしやすさには次のような差が出やすいとされています。
| 項目 | 紹介状があるとき | 紹介状がないとき |
|---|---|---|
| 費用 | 特別の料金(選定療養費)は原則かかりません | 一定規模以上の病院では、自己負担とは別に特別の料金が原則かかるとされています |
| 経過の伝わり方 | 症状の経過・検査結果・お薬の内容が文書で正確に伝わります | ご自身の記憶と説明に頼ることになり、伝えもれが生じやすくなります |
| 検査 | すでに行った検査の結果を活かせるため、重複を避けられることがあります | 同じ検査を一から受け直すことがあります |
| 受診後の流れ | 病院から紹介元へ返事が届き、その後の管理を連携して進められます | その後の情報がかかりつけ医に伝わりにくいことがあります |
| 予約 | 病院によっては、紹介状をもとに受診日時を調整できることがあります | 当日の待ち時間が長くなることがあります |
治療が落ち着いたら、かかりつけ医に戻る「逆紹介」
大きな病院で検査や治療を受け、状態が安定したあとは、お住まいの近くのかかりつけ医で経過をみていく「逆紹介」という流れがあります。病院から診療情報提供書が届き、その後の通院やお薬の管理を地域の医院が引き継ぐ形です。
- 通院の負担が軽くなります:待ち時間や移動の負担が減り、通いやすい場所で続けられます。
- ふだんの体調を含めて相談できます:かぜや発熱、健康診断の結果など、日常の困りごとも同じ場所で相談できます。
- 必要になればまた病院へ:経過のなかで再び専門的な検査や治療が必要と判断された場合は、あらためて病院にご紹介します。
- お薬の重複を防ぎやすくなります:他の医療機関の受診状況や処方内容を把握したうえでの服薬管理につながります。
当院でも、病院からの逆紹介をお受けしています。病院で「近くの先生に診てもらってください」と言われた場合は、そのときの診療情報提供書をお持ちのうえご相談ください。
いなだ医院での紹介の流れ
当院は、内科・呼吸器内科・循環器内科・感染症内科・アレルギー科・消化器内科(胃腸科)・小児科・リハビリテーション科を標榜し、かかりつけ医として日常の診療にあたっています。診察や検査の結果、より専門的な検査・治療が望ましいと判断した場合には、必要に応じ、専門の医師や医療機関にご紹介します。当院では血液検査、レントゲン、心電図、内視鏡検査(胃・大腸、経鼻内視鏡に対応)などを行っており、これらの結果を紹介状に添えてお伝えできます。
- まずは通常どおり受診いただき、症状や経過を診察します。
- 必要と判断した場合は、当院で行える検査を実施します。
- ご紹介先の候補、紹介の目的についてご説明し、ご希望をうかがいます。
- 紹介状(診療情報提供書)を作成してお渡しします。画像データなどをあわせてお渡しできる場合もあります。
- ご紹介先を受診いただき、後日、先方から当院に返事が届きます。
- 治療が落ち着いたあとは、当院で経過をみていくこともできます。
- 予約・受診:診療時間内であれば予約なしで当日受診いただけます。月〜土は朝7時から診療しており、お仕事前の時間帯にもご利用いただけます。
- 紹介状のお渡しまでの時間:診察当日にお渡しできる場合もありますが、検査結果を待つ場合や内容の確認が必要な場合は、後日のお渡しとなることがあります。お急ぎのご事情があればお申し出ください。
- 費用:紹介状(診療情報提供書)の作成は保険診療の対象となります。詳しくはお問い合わせください。
- 持ちもの:健康保険証(マイナ保険証)、各種医療証、お薬手帳をお持ちください。他院で受けた検査結果や画像データ、健康診断の結果、これまでの紹介状の返事などがあればご持参ください。
- すでに受診先が決まっている場合:ご希望の病院・診療科があればお伝えください。特に決まっていない場合は、症状や通院のしやすさをふまえてご相談しながら決めていきます。
- 駐車場:無料22台分をご用意しています。両備バス「西中学校前」より徒歩3分、ニシナ玉島柏島店の西隣りです。
紹介をご相談いただくときに伝えていただきたいこと
受診前に整理しておくとよいこと
- どの症状について、どこを調べてほしいと考えているか
- いつから、どのくらい続いているか。良くなったり悪くなったりしているか
- これまでに他の医療機関で受けた検査と、その結果(お手元にあればご持参ください)
- 現在服用中のお薬(お薬手帳をお持ちください)、合わなかったお薬やアレルギー
- 治療中の持病、これまでに受けた手術や入院
- ご希望の病院・診療科、曜日や時間帯の希望、通院手段
- お仕事や介護などの事情で、受診できる日が限られているか
よくあるご質問
紹介状には有効期限がありますか:法律で一律に定められた期限はないとされていますが、記載されている内容は作成時点のものです。時間が経つと症状や検査結果が変わりますので、できるだけ早めに受診されることをおすすめします。日にちが経ってしまった場合は、あらためてご相談ください。
紹介状を書いてもらったら、必ずその病院に行かないといけませんか:ご事情が変わった場合は遠慮なくお申し出ください。紹介先の変更についてもご相談いただけます。
健康診断や人間ドックで「要精密検査」と言われました。紹介状は必要ですか:まずは当院にその結果をお持ちください。当院で対応できる検査であればそのまま実施し、より詳しい検査が必要と判断される場合にはご紹介します。
すでに大きな病院に通院しています。かかりつけ医も持ったほうがよいですか:かかりつけ医は、健康に関することを何でも相談でき、必要なときには専門の医療機関を紹介してくれる存在とされています。病院に通院されている方でも、ふだんの体調管理やかぜなどの急な体調不良についてご相談いただけます。
紹介状を封筒から出して見てもよいですか:開封せずにそのまま病院の受付にお出しください。内容についてご説明が必要な場合は、診察のときにお伝えします。
大きな病院での検査を考えている、どこにかかればよいか迷っている――そんなときも、まずはご相談ください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
