家族が通院できなくなってきました。自宅で診てもらうことはできますか?
A. 回答病気や障がい、加齢などで通院が難しくなった方には、医師が計画的にご自宅を訪問して診療を行う「訪問診療」という仕組みがあります。看護師がうかがう「訪問看護」と組み合わせることもできます。当院でも訪問診療・訪問看護を行っており、ご本人の状態やご自宅の環境、ご家族の介護の状況などをうかがったうえで、在宅での療養が可能かどうかをご相談させていただきます。訪問できる範囲や対応できる医療内容には条件がありますので、まずはお電話でお問い合わせください。
この記事の制度に関する内容は2026年8月時点のものです。在宅医療・介護保険の制度は改定されることがあります。対象や費用は当院にご相談ください。
訪問診療と往診はどう違うのか
「自宅に来てもらう診療」はひとつではありません。大きく分けて、あらかじめ計画を立てて定期的にうかがう訪問診療と、急な体調変化の求めに応じて臨時にうかがう往診があります。ご家族からのご相談で多いのは、日常の療養を支える訪問診療のほうです。
| 項目 | 訪問診療 | 往診 |
|---|---|---|
| 訪問のしかた | 計画に基づき、定期的に訪問する | 求めに応じて臨時に訪問する |
| 主な目的 | 慢性の病気の管理、療養生活の継続的な支援 | 急な発熱や体調変化などへの対応 |
| 訪問の間隔 | 月2回程度など、状態に応じて決めることが多い | そのつど(決まった間隔はない) |
| 事前の準備 | 診療計画を立て、ご本人・ご家族の同意を得たうえで開始 | 状況に応じて対応の可否を判断 |
往診にどこまで対応できるかは医療機関によって異なります。当院で可能な範囲についてはお電話でご確認ください。
訪問診療の対象になるのはどんな方か
厚生労働省の資料では、在宅医療は「医療上の必要性があり、自宅などに赴いて診療する必要がある場合」に行うものとされています。一般的には、次のような状況の方が対象として検討されます。
- ひとりでは通院できない方:歩行が難しい、車いすや介助が必要で、ご家族の付き添いがあっても通院の負担が大きい場合。
- 慢性の病気を継続して診てもらう必要がある方:高血圧・心不全・呼吸器の病気・糖尿病など、定期的な診察やお薬の調整が必要な場合。
- 認知症などで外出そのものが難しい方:待合室で長く待つことが負担になる、外出を強く嫌がるといった場合。
- 退院後、自宅での療養に不安がある方:入院前より体力が落ち、通院の再開が難しくなっている場合。
- ご自宅での療養を希望されている方:住み慣れた場所で過ごしたいというご本人・ご家族の希望がある場合。
年齢だけで決まるものではなく、通院の負担と必要な医療の内容を合わせて判断します。
在宅医療を考えるタイミングの目安
「まだ大丈夫」と我慢されているうちに、受診が途切れてしまうことは少なくありません。次のような状態が続く場合はご相談をご検討ください。
すぐに受診を検討してください
- 急に息苦しさが強くなった、呼吸が浅く速い
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い
- 転倒して頭を打った、強い痛みで動けない
- 水分も食事もほとんどとれない状態が続いている
- 高熱が続き、ぐったりして自宅で様子を見るのが不安
早めの受診・ご相談をおすすめします
- 通院のたびに強く疲れる、途中で座り込んでしまう
- 受診日を守れず、お薬が余ったり切れたりしている
- 介助しても車やタクシーへの乗り降りが難しくなってきた
- 体重が減ってきた、食事量が明らかに落ちている
- ご家族の付き添いの負担が大きく、通院の継続が難しい
訪問看護と介護保険との関係
訪問看護は、疾病や障がいがあってご自宅で療養されている方のうち、主治医が必要と認めた方が利用できる仕組みで、年齢を問わず対象になるとされています。看護師が定期的にうかがい、体調の確認、療養上のお世話、ご家族への介護の助言などを行います。
費用は公的な保険が使えます。訪問診療は医療保険が基本となり、訪問看護は要支援・要介護の認定を受けている方は原則として介護保険、末期のがんなど国が定める疾病等に該当する場合は医療保険が適用されるという整理になっています。どちらが適用されるかは状態や認定の有無によって変わりますので、お一人ずつの確認が必要です。自己負担の割合は、加入している保険や年齢・所得によって異なります。
介護保険をまだ申請していない場合や、ケアマネジャーが決まっていない場合は、お住まいの地域の高齢者支援センター(地域包括支援センター)にご相談いただくと、申請の手続きから案内してもらえます。倉敷市では市内各地区に高齢者支援センターが置かれています。
当院での対応とご相談の流れ
いなだ医院では、外来診療に加えて訪問診療・訪問看護を行っています。内科・呼吸器内科・循環器内科・消化器内科などを標榜しており、ご自宅での慢性疾患の管理や体調の変化のご相談に対応しています。必要と判断した場合には、外来で検査を受けていただいたり、入院や専門的な治療が可能な医療機関をご紹介したりすることもあります。
また当院は、通所介護(デイサービス)「こはる日和」、訪問介護「こはる日和」、小規模多機能ホーム「こはる日和」、かしわじま居宅介護支援センター、サービス付高齢者向け住宅「メディケアビレッジかしわじま」といった複合介護施設も運営しています。医療と介護のご相談を、あわせてお受けできる体制です。
ご相談は次のような流れになります。
- 1. お電話でのご相談:ご本人の状態、現在の通院先、お住まいの場所などをうかがいます。ご家族からのお電話でかまいません。
- 2. 対応可能かの確認:訪問できる範囲かどうか、必要な医療の内容に対応できるかを確認します。
- 3. 診療の計画と開始:内容・訪問の頻度についてご説明し、ご同意をいただいたうえで開始します。
ご相談の際は、健康保険証・マイナ保険証、介護保険証(お持ちの場合)、お薬手帳、これまでの検査結果や紹介状をお手元にご用意いただくとお話がスムーズです。訪問診療・訪問看護はいずれも公的医療保険・介護保険の対象となる診療です。訪問可能なエリア、費用の目安、対応できる医療処置の範囲は状況によって異なりますので、断定的なご案内はいたしかねます。個別の内容はお電話でご相談ください。
参考にした情報
ご家族の通院が難しくなってきたと感じたら、まずはお電話でご相談ください。
📞 086-525-0600最終更新:2026年8月26日
